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「読み」ながら「考える」
オーディオブックで本を楽しむ人も多くなってきた気がする。海外ではだいぶ浸透しているようだが、僕の周りでもちらほら利用する人が多くなってきたような気もする。
僕は何度かAudibleに挑戦しているのだが、その度に挫折している。どうにも、オーディオブックというものとの相性が良くない。
僕は本を読むときに、考えながら読むことが多い。それが小説であっても、ちょっと立ち止まったり、発想を広げたり。または、全く違うことを考えながら読むこともある。
「文字を読む」ことと「考える」ことはオーバーラップしており、どちらかにウェイトはあっても、ほぼ同時に行われる。
だから、内容が全く入ってこずに違うことを考えているかと思えば、ふんわりと概要はつかめていることもある。
逆に、怒涛の場面展開で話を追っていると思いきや、どこかでその場面を俯瞰して見つめながら考え事をしていることもある。
オーディオブックだと、そういった読み方はできない。聴覚で捉えながら「考える」こともできなくはないのだけれど、「文字を読む」と「考える」を同時にすることとは、ずいぶんと勝手が違う。
どうしても自分で読むようにはテンポの融通が利かないので、自分の心地よいテンポで読み進めることができない。考えたいのに、そのいとまがない。
馴れれば「聴く」と「考える」を同時にできるような気もするけれど、なかなか適応できないでいる。
古原大樹/ブックアンカー
1984年山形県生まれ。山形大学教育学部、東京福祉大学心理学部を卒業。高校で国語教師を13年間務めた後、不登校専門塾や通信制高校、日本語学校、少年院などで働く。
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