写真展に行こうよ 〜 ソール・ライター 〜
ソール・ライター
Saul Leiter(1923 - 2013)
アメリカ ピッツバーグ生まれの写真家・画家
生誕100周年を記念して 東京で三度目の写真展が開催されます
これまでの エッセイ や 短歌 の中でもその名前をチラッと出したことがありました
大好きな写真家のひとりです
わたしは写真が好きです
撮るのも見るのも好きです
けれどカメラのことは何もわかりません
撮影はスマホで 気軽に気ままに楽しんでいます
わたしにはそれで十分
写真を撮るための目的で どこかへ出かけて行くということも まだしたことはありません
日常の延長で 目の前に現れた光景を 心が動いた時に写しています
それが 同じ場所、同じ物、同じ人であったとしても、まったく同じに写ることはなくて
その時の ほんの一瞬が切り取られる写真って、ほんとにすごいと思うんです
そこに写るものは、たしかにその時 その形でそこにあって、
その瞬間の それを目にしていた人もたしかにいて、
そのまなざしを辿ってる自分が 今ここにいる
わたしはたまに、自分の存在がふわっとあやふやに感じることがあります
でも写真を見つめながら、たしかに自分はちゃんとここにいるんだなって ほっとできたりもします
どんどん過去になってく“今”がそこにある…
そんな“存在”という感動を味わいに、時々 写真展に出かけます
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ニューヨークの伝説の写真家 ソール・ライターは
“ カラー写真の先駆者 ” として これまでの二度の写真展で紹介され、日本でも注目されました
“ 画家の眼を持つ写真家 ”
画家でもあったライターは、写真家として成功した後も 絵筆を離すことはありませんでした
「 絵画は創造であり、写真は発見だ 」
そう語る彼にとって、絵画は生きる原動力でした
日記を書くようにして、絵を描き 写真を撮り続けました
色彩を遊ぶように描かれた絵画作品は、唯一無二であるカラー写真の秘密を解き明かすカギでもあるようです
精力的に写真撮影に励んだ 1950~60年代、彼はニューヨークに居を定め、
イーストビレッジの自宅周辺で 55年もの間、日常をひっそりと撮り続けていました
世界的に知られる一流雑誌の ELLEや VOGUE、Harper's Bazaarなどの ファッションカメラマンであったライターは、その道から退くと 自分のための写真に専念します
2006年、83歳で 初の写真集を出版
2013年、89歳でその生涯を閉じました
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2017年、 日本での初めての写真展が 東京・渋谷Bunkamuraザ・ミュージアムにて開催される
2020年、 同所で 二度目の写真展開催
2023年、 7月8日(土)より 三度目となる写真展開催
(Bunkamuraザ・ミュージアムは 改装休館中のため、今回は 渋谷ヒカリエホールAにて)
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2017年写真展
『 ニューヨークが生んだ伝説 』
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2020年写真展
『 永遠のソール・ライター 』
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2023年写真展
『 ソール・ライターの原点 〜ニューヨークの色〜』
キャリアの表舞台から姿を消し、富にも名声にも関心を示さず 淡々と自らの美意識に忠実に生きたソール・ライターのまだまだ知られざる一面…
今回は 近年再発見された未公開作品なども展示される予定
大規模なカラースライドやプロジェクションなど、様々な形態を駆使した ユニークな写真展となりそうで とても楽しみです
7/30(日)まではフォトコンテストも開催されています
【 追記 】
平日の夕方はゆったりと鑑賞できました
今回は会場内写真撮影オールOKとのこと
以前の展示にはなかったユニークなものを
ほんの少しちらりとご紹介します
次々に写真が切り替わる巨大プロジェクションは
椅子に座って眺められます
シブかっこいいソール・ライターの写真
みなさんの街へもまた巡回するかもしれません
その名を見かけたら ぜひ思い出してください
夏のお出かけに、涼しい屋内でのアート鑑賞はおすすめです
今回の会場である 渋谷ヒカリエ は 渋谷駅直結で 雨や暑さでも嬉しい
劇場やショップもあり、ミュージカルや買い物やグルメも楽しめる複合ビルです
展望台 “SHIBUYA SKY” が話題となった 渋谷最高峰のビル 渋谷スクランブルスクエアとも連絡通路でつながっています
駅周辺は次々と開発され、渋谷ストリームや MIYASHITA PARKなども人気スポットとなっています
渋谷は 大人も楽しめる街へとさらに進化しつづけています
みなさんの何気ない日常にも、小さなドラマや神秘が潜んでいますよ
どうぞよい一日を、よい一週間を
#115. 『 ポートレート 』
⭐︎きみのこと一番にわかっているのはボクだよと斜め45°
⭐︎自らを撮るとき嘘をつくようなレンズをまっすぐ見つめられない
ー ちる ー