ヒマワリの種と小鳥とおじさん。
少し前のこと。
I公園の池へ鳥見に行ったときに、ヒマワリの種をたくさん持っているおじさんに会いました。
I公園の池には鳥がたくさん来るのですが、野生化した元ペットのリスも住み着いています。
池の近くの大きな石の上にヒマワリの種を置いていました。
続いて池の周囲の手すりの上にもヒマワリの種を置いていきました。
そして、カメラの方を向いて、鳥にしか興味がありませんよってふりをしながら、たまに石の方を見ている様子でした。
「リス、来てますよ」
リスが来ると教えてくれるのです。
リスは、石の上のヒマワリの種を食べ尽くすと、手すりの上の種に目を付けます。
手すりの上にちょこんと乗ってヒマワリの種をほお袋へ。
チョロと手すりの上を移動して、また見つけたヒマワリの種をほお袋へ。
おじさんが手にヒマワリの種を乗せてリスへと差し出すと、それもほお袋へ。
元ペットとはいえ、懐いていてビックリです。
しばらくするとヤマガラもやってきました。
ヤマガラはにんげんからのエサを遠慮なく受け取るタイプです。
だから、ヤマガラがおじさんの手に乗ってヒマワリの種を食べたのはそんなに驚きませんでした。
次にゴジュウカラがやってきました。
ゴジュウカラは木の幹に逆さまにくっついていました。
頭を下にして、木にしがみついても、普通に移動できる、すごい鳥なのです。
ゴジュウカラを真下から撮ることになりましたが、まったく逃げません。
おじさんが
「なんだ、こいつ」
「待っているのか」
親しみを込めて「こいつ」と呼びかけ、ゴジュウカラにヒマワリの種を差し出しました。
ゴジュウカラはおじさんの手に乗ってヒマワリの種を受け取りました。
「すごいですね」
思わず言ってしまいました。
「ヤマガラは驚かないけど、ゴジュウカラが手に乗るのはビックリ」
私が言うと
「ゴジュウカラは時間がかかった」
「ゴジュウカラが乗るようになったら、コガラも乗るようになった」
さらりと答えるおじさん。
「まさか、コガラまで……!」
とにかくビックリしました。
おじさんが私にヒマワリの種をくれました。
「やってみてごらん」
マジか……!と思いつつ。
手のひらにヒマワリの種を乗せて
「ゴジュ……」
ゴジュウカラに差し出しました。
ゴジュウカラ、知らんぷり。
人間が手を差し出しても飛んで逃げなかったので、それもすごいと思いますけどね。
ゴジュウカラはおじさんからヒマワリの種をもらいたかったみたいで、私が返した種をおじさんの手のひらから食べました。
世の中、すごい人もいるものだと思いました。