代かきとツキノワガラス
マイマイガの幼虫(毛虫)は、生涯において『一度は道路を横断しなくてはいけない』ルールでもあるのか?というくらい、時速50キロの車が走行する国道をたくさんの毛虫が横断している。もし私だったらそんなことをせず、近くの止まり木を探して蛾になるのに。
なんてたわいもないことを考えながら、稲苗のハウスまで軽トラを走らせる。
ここ最近は、稲苗の温度管理や水やりを中心に、代かきをして、お米づくりの準備に追われている。
代かきを3回やるというと、ここら辺ではやりすぎは良くないと言われることがほとんどである。
そりゃそうだ。笑
ただこの代かき、最後の1回はロータリーを回さず、ドライブハローに付いてるレーキと後ろの波波したゴムベラみたいなものだけで表面をサッと撫でて終わる仕上げ方法。研修先で実践している代かき方法だ。
やったことがないことや常識はずれのことをするということは、なかなかの勇気がいる。
ただ、私も美味しいお米をつくるために学んできているのだ。『やってみないと気がすまない』性格は、頑固オヤジばりに揺るがないのだ。
休耕田は特に何年も水を溜めていない。
1回の代かきでは、なかなかトロトロにならない。田植えを遅らせ、5月中は代をかく。
3回の代かきには、雑草種を発芽抑制させる意図もある。
田植え後は、もらってきたそば粕をまく。
そばにはアレロパシーというほかの草を寄せつけない作用があり、雑草対策にもなるらしい。
『〜らしい。』という言葉は確信的ではない表現になるが、有機をやっているとこのあいまいな表現にも慣れてくる。
結果は、9月の収穫まで分からない。
やれることをやりきってみようと思う。
作業していると必ず現れるカラス。胸元が白くまるでツキノワグマのようなので、ツキノワガラスと勝手に呼んでいる。