あるじ身まかりける人の家の、梅の花を見てよめる
つらゆき
色も香も昔の濃さににほへどもうゑけむ人の影ぞこひしき
主が亡くなった家の、梅の花を見て詠んだ歌
紀貫之
梅の花の色も香りも昔の濃さで映えているけれど、植えた人の姿こそが恋しく思われる
「色も香も昔の濃さに匂へども植ゑけむ人の影ぞ恋しき」
「にほふ」は、「美しく映える」という見た目の良さを言う言葉です。良い香りがするという意味もありますが、この時代は見た目が中心です。
「影」は、姿や形のことです。現代と同じ光の当たらない場所を指すこともありますが、主に姿や形を意味します。
#古今集 , #哀傷歌 , #紀貫之 , #梅 , #色 , #香 , #影