古今集巻第二十 神あそびのうた 1086番
かへしもののうた
大伴くろぬし
近江のやかがみの山をたてたればかねてぞ見ゆる君がちとせは
これは、今上の御べの近江の歌
返し物の歌
大伴黒主
近江のや鏡の山を立てたれば予てぞ見ゆる君が千歳は
これは、今上陛下の御嘗(おほんべ)の近江の歌
大和琴を呂調から律調に返すときの歌
大伴黒主
近江にある鏡山を立てて見ると、あらかじめ見えるのです、今上陛下の千年のご治世が
「鏡山」は、滋賀県蒲生郡竜王町にある山。鏡を立てて、遠い将来を映すと、千年の帝のご治世が見えます、と言う歌です。
大伴黒主は、近江の人で、壬申の乱の大友皇子の末裔と言われてい今上陛下は、古今集が出来た時の今上天皇、醍醐天皇を指します。ます。大伴家持などの大伴氏ではないようです。
「近江のや」の「や」は、強調の間投助詞。疑問ではありません。
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