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岩波少年文庫を全部読む。(82)どうして、世界は、ぼくに見えるところより大きいんですか? エリナー・ファージョン『本の小べや1 ムギと王さま』

エリナー・ファージョンの自選短篇集『本の小べや』(1955)には、27篇が収録されています。
石井桃子訳の岩波少年文庫では2分冊で刊行されました。第1分冊『ムギと王さま』には、「作者まえがき」と表題作を含む14篇が収録されています。

どうして、世界は、ぼくに見えるところより大きいんですか?

「金魚」は、すべての魚が海水魚だった遠いむかしの話。ネプチューン王(古代ローマの海神ネプトゥヌス。ギリシア神話のポセイドン)が海の世界を統べていました。

金魚はあるとき、〈船〉と出会い、世界の広さを痛感します。

どうして、世界は、ぼくに見えるところより大きいんですか?

エリナー・ファージョン「金魚」
『本の小べや1 ムギと王さま』(1955)所収、
石井桃子訳、岩波少年文庫、93頁。

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