岩波少年文庫を全部読む。(62)インゲン万事塞翁が馬 メアリ・ノートン『床下の小人たち』
「借りぐらしのアリエッティ」の原案
人間メアリ・ノートンの『床下の小人たち』(1952。林容吉訳、岩波少年文庫)にはじまる《小人の冒険》シリーズは、英米で何度も実写映像化されてきました。
日本ではジブリ映画『借りぐらしのアリエッティ』(2010。脚本は宮崎駿+丹羽圭子)の原案として有名です。
『床下の小人たち』は枠物語。冒頭の舞台はロンドンです。
メイおばさんは、10歳のケイトといっしょにはキルトを作っています。ケイトが裁縫道具の紛失を告げると、メイおばさんは実弟から聞いた〈借りぐらし〉の話をしてくれます。これが話の外枠。
借りぐらしとは? そしてインゲンとは?
借りぐらし(Borrowers)は小人です、人間に知られぬようその住宅に住み、そこに住む〈人間〔インゲン〕〉から道具を〈借り〉て〈暮らす〉存在です。
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