岩波少年文庫を全部読む。(119)季節感満載、とくに冬にぴったりの短篇集 アリソン・アトリー『氷の花たば』
アリソン・アトリー『氷の花たば』(石井桃子+中川李枝子訳、岩波少年文庫)は、1948年刊行の短編集John Barleycorn : Twelve Tales of Fairy and Magicから、全12篇中半数の6篇を選んで訳したものです。
この連載ではすでに、《グレイ・ラビット》ものの最初の4篇(1929-1932)を収録した『グレイ・ラビットのおはなし』と、短編集The Spice Woman's Basket and other Tales(1944)の抄訳『西風のくれた鍵』の2冊、同じ訳者コンビで刊行されたものを取り上げましたね。
「お伽話」の伝統を受け継ぐ
この連載のために、児童文学の研究書、とくに史的側面からのアプローチを
含むものを読むうちにわかってきたのですが、お伽話(フランス語の「お伽話=妖精譚」の英語版)というジャンルの流れをおさえておくと、いろんなことがわかってきます。
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