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文学理論ノート

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実作(おもに小説の)を読むことから、文学理論へと出発するためのノートです。
不定期更新。各記事は公開後一定期間は実質無料ですが、しばらくすると有料になります。マガジン購読者限…
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#小説列伝

『小説列伝』は小説の「ミームの歴史」です

前回の記事で、『小説列伝』の原題が仏語版(翻訳の底本)で『小説の思考』、著者自身による英語版で『小説の生命』だったこと、そして英語版 の題から『小説列伝』という強い訳題を思いついたことを書きました。 『小説の生命』という英語版の題は、小説という「類」の進化を語る本だというのがよく伝わります。「ミームの歴史」としての小説史なんです。 『小説列伝』の序章に、こういうことが書いてあります。 本書ではミームという語は一度も出てきません。 でも、本書のダイナミックな記述を読むと、

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『小説列伝』(釣り訳題じゃないよ!)は小説よりもおもしろい小説史です。

訳すのに10年以上かかったのは、僕の仕事が遅いから 西洋小説史を一挙に見通しのよいものにした、パヴェルの『小説列伝』(拙訳、水声社)は、小説よりもおもしろい小説史です。底本はこちら。 Thomas Pavel, La Pensée du roman, nouv. éd. rev. et refondue, Paris : Gallimard, coll. Folio essais, 2014. もう10年前の本です。すみません、仕事が遅くて。 少しでも訳し間違いを減ら

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『小説列伝』には「訳者解説」がありません。

もうまもなく、『小説列伝』という本が店頭に並びます。 Amazonでは売りません 著者は、ルーマニア出身で米国・フランスで活躍している文学理論家・演劇研究家のトマス・パヴェルです。 水声社という出版社から出ます。 この水声社という出版社は、Amazonでは売らない、というポリシーで会社を運営してらっしゃいます。 (なのに予約ページはある) Amazonに出ている水声社の本は、基本的には、Amazonマーケットプレイスに出店している業者さんが、しばしばとんでもないプレミ

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