私を救ってくれた言葉(1)
誰かと話をするということは、難しくて、怖くて、でも自分ひとりではたどり着けない発見ができることがある。
今日は、私を救ってくれた言葉について。
数ヶ月前、うつ状態による3ヶ月の休職から復帰して少し経った頃、異動時期も重なって、ストレスが溜まっていた。
しんどくなるととにかく泣いてしまう。
年甲斐もなく、嗚咽をしながら、過呼吸寸前になるまで、涙がとまらない。
でもこれは緊張が解けた時に起こることで、職場では基本的に泣かないし、極力明るく振る舞っている。
その頃は帰宅すると泣く、という毎日だったと思う。
死ねたら楽なのに、と毎日思っていた。
そんな時に声をかけてくれたのは職場の方で、グループが違うものの、その方は課内のメンタルヘルス推進委員だったから、私のことを以前から気にかけてくれていた。
その日も、「最近どう?」と聞いてくれたのだったと思う。
私は多分誰かが助けてくれるのを待っていて、だから「最近どう?」と聞かれただけでもうほとんど涙が出かかっていた。
「最近ちょっと調子が悪くて」と話し始めたと思うがそれ以降どんなやりとりをしたかはっきり覚えていない。
会話をするうちに、私は、
「死んでしまいたい、死ねたら楽になれるのにって思うんです」
と吐露してしまった。
こんな話は夫と病院の先生以外にしたことがない。
私はてっきり、そんなこと言うんじゃない、そんなふうに考えたらダメだ、と言われると思っていた。
でもその人の言葉は違った。
「それは辛かったね」
とだけ言った。
私はびっくりしてぼろぼろ泣いてしまった。
「死にたい」という感情を否定されなかったこと、そう思うほど辛いことに誰かが寄り添ってくれたことに、本当にびっくりした。
そして救われた。
私は辛い、死にたいと思うくらい辛い、と思ってもいいんだ、と。
私の感情は、どれだけマイナスのものでも、必ずしも否定されるものじゃない、と。
辛い、しんどい、もう何もかもやめたい、死んでしまいたい、と思うことは間違いだと思っていた。
「それは辛かったね」という一言が、間違いじゃないよと教えてくれた。
私の感情は私が感じるままでいい。
感情に間違いなんかない。
その時はびっくりして、ただただ泣くだけで、上手く言葉を返すことができなかった。
今度その方に会う機会があれば、お礼を言いたい。
私はあの一言に救われました、と伝えたい。