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鴨長明や兼好法師の気持ち

正月明けに家族旅行へ行って
方丈庵に住んだ鴨長明や
第十一段で
こんな山奥でも人が住めるものだなぁ…と思った
兼好法師の気分を想像した話。


都会だ…

年明けに
家族で加計呂麻島へ行った。

まず奄美大島に。
そこから加計呂麻島へフェリーでわたる。


徳之島から奄美大島へ行ったら
レンタカーを借りて1泊したんだけど


「徳之島からしたら
奄美って都会だったんだねー」って感じた。


3年前
下見に来たときは
「うわー
集落同士が離れていて
電波途切れるの不安感じるわー」と話していたのが

今や都会に感じて
徳之島にはないからって
モスバーガーを食べたんである。

イオンにも行って
少し、買い物をした。


夕陽ポイントから西安室の集落

加計呂麻島ドライブ

それが
加計呂麻に行き
更に集落と集落が離れていて

その途中の道は細く
落石がごろごろしている。
太い道はあるけれど
ほとんどは1車線、すれ違いはちょっと広いところで譲りながら。

集落も小さいところで数件の家が固まって
平地の少ない島に寄り添うように立っている。
徳之島のように大きなウギ畑(サトウキビ畑)が何枚も続くのではなく
塀で囲った中に
家庭菜園かと思われる
野菜が何種類か植わった畝のある畑。

商店はあるのかないのか、
それらしい構えの建物はあるけど
くすんだカーテンが閉まっていて
日中開いている気配がなかったりする。


夫は
ここでの生活は不便そうだ、という。
確かに
人気の少ない集落では
生鮮食品が手に入らない気はするが

葉物なら庭で育てればそこそこ何とか。
海で魚釣ったら良いかもしれない。
私はちょっとそう思った。
郵便局はあるから
ポチっと通販でお願いしたら冷凍便も冷蔵便も来るだろう。



大きなる柑子の木の 枝もたわゝになりたる

そして
奄美の南三島でもそうだったけど

加計呂麻島でもやはり柑橘は家々に植わっている。
周りをかこってはいないが
塀の中に柑橘の木が生えていて
八朔みたいな大きいものや
島ミカンのように小さいものや
色んな柑橘を見かける。


兼好法師が見たのは
きっともっと山奥の簡素な庵の
そこだけ頑丈に囲ってあったからこそ感じたギャップなのだと思うが
この島にはミカンを食べるのは
きっと人が主で
少し、ムクドリとかヒヨドリとかがついばむくらいなんだろうなと
勝手に思っている。


展望台からはしまっているようにおもったけどお店開いてた!

徳之島に戻ると

そんな寂しさを感じた島から
徳之島に戻ると

奄美大島が都会と思って
徳之島はちょっと寂しいかも?なんて感じたのに

加計呂麻島からしたら
都会じゃないか!となる。



そして
にぎやかに思い

私は
加計呂麻島でひっそり過ごしたくなってしまったんである…。


1/7に戻ってきて今もネタを引っ張るのは…

一見なにもなさそうな加計呂麻島だが
贅沢があったのである。

私から見たらすごい贅沢。


海と山に囲まれて
ひっそり。
毎日のルーティンをくりかえし
自分のしたいことをする。
身の回りのものは最低限で。


もしかしたら
これは
ひょっとすると
隠居、とかいう過ごし方ではないかな?と(;'∀')


現代風に言うなら
日向ぼっこしながら囲碁を縁側でするおじいちゃんのイメージ。

でも
私のより具体的なイメージは
鴨長明や
吉田兼好
松尾芭蕉である。


ただただ静かな公園からの海

一体私は何がしたいのか
どこにどんな風に住みたいのか
実は自分でわかっていなくて

いや
わかっているけど
言葉にしにくくて
したところでわかってくれる人なんて
今までいたようないなかったような。

しまいには
「好きなことしかしない自由な人」
と良くも悪くも映るようで。


世にある色んな作品の中で


万葉集でも
古典文学でも
私がいいなぁと思うのは
思い悩む恋バナではなく
景色や季節をうたう歌や
自然について書いているものばかり。

まだ途中までしか読んでいないけど
老子だってゆったりした自然から学ぶ、生かされている感が好き。


そしてやはり惹かれるのは
清少納言
兼好法師
松尾芭蕉



子育て中はそうもいかないけれど…


手が離れたら
人里離れたところで…と
今回の旅で
お腹の奥底の方で何かが積もっていくのを感じた。


介護とか
年を取ったらそれはそれで家族に心配をかけるだろうけれど


ちょっと
わたし
都心に住むのは無理だ…というのは
ハッキリ思った。



たぶん
これからもいろんな思想のもとになったものを読むほど
心が自由になり
そうなるにつれて
どんどん人里離れてひきこもることにあこがれを強くするんじゃないかな。


なんとなく
読み継がれる作品を残した人が
ひっそりした住処を選んでいたことに
納得してしまう旅でした。

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