無実な朝

急に冷え込んだ朝を迎え、昨日まで続いていた季節がなんだったかなんて素知らぬ顔でいる自分に、ちょっと寂しい奴だと自問自答していても答えなんて在り来りの詰まらないセリフしか言えない三流役者にも笑われるだけ。

何だか今日は冷えるな。

登る朝日はいつも通りで、早起きした俺には別段なんのサービスも無くても当たり前なんだが、ちょっと位はいいじゃない。なんて有りもしない期待を込めて両手を大きく広げては、当たり前の挨拶を当たり前じゃない無人の空に言ってみる。

おはようSUN。

これ幸いにといつもはオドオドしながら走り抜ける野良猫も、何か貰えるかしらとコチラをチラ見しながらゆっくりと通り過ぎる。余りにも何も無い平和な詰まらない1日の始まりに、きっと空からミサイルが飛んで来たとしても、新手のUFOなのかときっと我先に顔を出すに違いない。

あんたも見たかい。

イケね。時計の針がフラフラと揺れ遊びだした魂的な根っこの部分に現実を見せるようにと耳に問う音はTiCTAC。終わった昨日と始まる今日と、そんなに違いは無いが、同じ時間とルーチンに同に生きては記憶が薄れる気がして勿体ない。積み重ねた思い出が1mmしか無いのも寂しいだろ。

なんてね。

小難しい事をブツブツ書くのは性に合わないさ
山程の薔薇が欲しいなんて綺麗な恋も捨て難い

もう話しかけて良いかい。