諏訪敦 眼窩裏の火事展の迫力には圧倒されます
小林秀雄はあのランボーの詩集を読んで、「向うからやって来た見知らぬ男が、いきなり僕を叩きのめしたのである」と表現したそうです。よほど強烈な出会いだったのでしょうね。ランボーの詩集の衝撃はもちろん、そう感じた小林さんの感性もまたスゴいですね。
今回は事前の情報集めから期待値は増すばかりで、府中駅からのバスの中では鼓動が高鳴ってしまいました。昔好きだった人を待ってた時以来です。
会場に足を踏み入れれば、荘厳な絵画の数々にただただ心を奪われ、圧倒的な技量と才能の前に跪くような感覚になります。
写真のように精緻な絵画の前に立っているだけで、1時間もすると脳が焼けそうで目眩がしました。表現する言葉を失います。
絵の細かいことは分かりません。ただ写実を捨て、自らと向かい合われた方なので、絵画に向かって相対するより内面を感じ取るのは困難でしょう。
誰かが自分の彼女のことを「あの子って実は…だよね。」って言ったところで、皆さん耳を貸しませんよね。論評もきっとそんなもんだと思います。ぜひ自分の目でご覧頂き、向かい合ってみてはいかがでしょうか。2月26日(日)まで府中美術館です。感性が刺激されて、研ぎ澄まされるような感覚を味わえます。
豆腐も、凄いですよ。グラスも、凄いです。絵の中に躍動する人の動きを描こうなんて、普通考えます?
僕は棄民での老人と若い女性、乳児の対比した絵画に深く考えさせられました。
上手く書けませんが。
知らない世界があることを知る、人生はこれだから楽しいですね。
皆さんもぜひ、オススメです。
題絵:展示会HPより
《依代》2016-17年 紙、パネルにミクストメディア 86.1×195.8cm 個人蔵
諏訪敦先生の概要↑です
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