不合理な行動と向き合う
こんにちは、ちくわ(@chikuwa_0111)です。このnoteは「予想どおりに不合理」の読書感想文です。特に印象に残った部分をピックアップし自身の考えを交えて紹介します。
目次
・どんな本?
・無意識を意識する
・性善説と不正直さ
どんな本?
一言で述べると、行動経済学の実験とそれによって得られた知見がたくさん書いてある本です。(行動経済学の説明は割愛します)
エピソードと紐づけて頭に入れやすいので、具体例が多い本が私は好きなのですが、この本のテーマは我々の意識していない(できない)領域についてなので、実験結果という具体例の提示が特に効果的だと感じました。
行動経済学を教養として学ぶための1冊目としてオススメです!
それでは、早速感想を綴っていきます!
無意識を意識する
最初から理解に苦しむ見出しですが、この本を読んで、じゃあ何をすべきなのかなって考えて出てきた言葉がこれでした笑
これはほぼラスト辺りからの引用になります。
この本で紹介した研究からひとつ重要な教訓を引きだすとしたら 、わたしたちはみんな 、自分がなんの力で動かされているかほとんどわかっていないゲ ームの駒である 、ということだろう 。
つまり、我々は自身の思考や行動が何によって生み出されているか把握できていない、ということになるでしょう。
これに関して一番驚いた具体例は、「老齢」を連想するような単語が多く用いられている課題を学生に与えたところ、対照群よりも課題をこなした後の歩く速度がとてもゆっくりになった、という話です。「老齢」に関する言葉を多く浴びただけで、その後の歩くという行動が「老齢」という概念に影響を受けてしまった、というにわかには信じがたい実験結果です。専門用語では「プライミング効果」というものらしいですね。
他にもいろいろ面白い例はあったので興味があればぜひ読んでいただきたいのですが、このように、我々は思いもよらぬ要素から影響を受けており、さらにはこの影響を自覚できていないというのです。
歩く速度くらいだったら別にどうってことないとですが、もっと重要な決断も、無意識に影響を受けている何かがある、と考えていいだろうと私は思い、その無意識に抗いたいという願望が生まれました。
そこで見出しの「無意識を意識する」ですが、もう少し詳細にすると「この先起こるであろう無意識をいま意識しておいてあらかじめ対策を打つ」となります。
タイトルに「予想どおり」とあるように、我々の不合理な行動には規則性があり予測ができる、と著者は述べています。であれば、その不合理な行動あるいは無意識への対策も打てるのではないか、、と思っています。
実践できるのかは分かりませんが、この視点に立てるようになっただけでも大きな進歩だと感じています。
性善説と不正直さ
先ほどのトピックは個人に焦点を当てていたのですが、今度は組織やチームに向けたものです。あらかじめ言い訳すると、こちらは先ほどのものより浅い考えになります笑
本書には「わたしたちの品性について」という章があり、その中で「正直さ」について取り上げている部分があります。その中の結論の一箇所を引用します。
第一の結論は 、チャンスがあれば 、多くの正直な人がごまかしをするということだ 。少数の悪いやからが全体の平均を押しあげたのではなく 、大多数の人がごまかしをしたこと 、そして 、ごまかしの程度はわずかだったことがわかった ( * 3 ) 。
言い換えると、我々(少数でない)はある条件下で不正直になる、ということになります。
これを読んだときにふと思い浮かんだのが、性善説をカルチャーとして提唱する組織でした。そういう組織はこの不正直にどう対処するのだろうと。
本書ではこの一時的な不正直を防ぐ方法も示されています。それをもとに仕組みで解決すればいいのか、そもそも仕事上で不正直になってしまう条件を満たすことがないのか、満たすことはあってもその不正直は無視できるレベルなのか、はたまた不正直から正直に戻ったタイミングでその不正直を正せる人間しかその組織に属していないのか、この不正直も含めて性善なのか...のように思考の収拾がまだついていません。
そういう意味でもこのトピックはまだまだ浅いと表現しましたし、実際そういう事例を聞いたことがないので、そもそも無意味な疑問なのかもしれません。しかし、ストックオプションの不正が例として取り上げられていたのでちょっと気になってしまいました。
おわりに
さて、今回は読書感想文ということで私が注目した2点について紹介しました。実際はもっといろいろな気づきがあったので、もし興味があれば手にとっていただくのが良いかと思います。
著者のダン・アリエリーさんはTEDトークも複数回されているので、そちらをチェックするのもオススメです。
以上、ちくわ(@chikuwa_0111)がお届けしました。気が向いたら「いいね」と「シェア」お願いします m(_ _)m
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?