深大寺で御朱印帳を買う
初詣で調布市にある深大寺に訪れた。深大寺と言えば、ゲゲゲの女房のロケ地として有名であり、水木しげると布美枝さんが初めてデートをする重要な場面で使われている。僕はこのドラマが大好きで、好きな朝ドラランキング１位がずっと更新されないままだ。
水木しげるが調布市でずっと漫画を書き続けていたから、何か創作する上でのパワーを貰おうと、深大寺に参拝することにしたのだった。
京王線のつつじヶ丘駅から、バスで20分ほど移動するので立地は不便ではある。でも、深大寺からして見れば、後から電車やバスを作ったのはそっちでしょ！という感じだろう。都心から離れ、深大寺周辺は森が鬱蒼としていて町の景観も好きな場所である。
４日に行ったが屋台が立ち並び、沢山の人で賑わっていた。老舗のお蕎麦屋さんには行列が出来ている。僕も帰りに食べて帰ろうと思いながら、まずは参拝が先だと山門をくぐった。
境内にも沢山の人がいたが、参拝には時間はかからなかった。すぐに順番が回ってきて、お賽銭を投げて手を合わせる。僕はいつも後ろの人を気にして、心の中で早口で願い事をしている。自分の心の中くらいゆっくり話せばいいのに、いつもこうなってしまう小心者。お釈迦様はちゃんと聞き取れただろうか。聞き取って下さい。
参拝を終えた後は、お守りを買う列に並んだ。参拝の列よりこちらの方が長い。巫女さんが「ホームページからでも授与品が見れますので、買う前に予めご確認下さい」と案内していた。ライブグッズみたいな感じで売ってるなと思いながら、僕もホームページを開いてみる。厄除け守、交通安全守、色々あるなか僕は「心願成就」のお守を買うことにした。巫女さんから受け取り、このお守りは普段使っている机の棚に飾っておこうと思った。
それからもうひとつ買いたい物があった。
去年からよく神社やお寺に参拝するようになって、前から初めてみたかった御朱印帳を買うことにした。
深大寺の御朱印帳は淡い紫色を基調とし、深大寺の刺繍が施された素敵なデザインである。裏には国宝の釈迦如来像の刺繡もあって、縁起が良さそうだ。御朱印所に買いに行くと、お坊さんが御朱印を御朱印帳に挟んでくれた。本当は直接書いて欲しかったけど、この時期は参拝客が多いから予め書いた御朱印を渡しているみたいだった。
お坊さんが御朱印帳を手渡す前に、線香にかざして清めてくれた。だから、僕の御朱印帳はお線香のいい香りがする。僕はこの匂いを嗅ぐといつもおばあちゃん家の居間を思い出して懐かしい気持ちになる。線香の匂いは心を凪にしてくれる。
「御朱印帳を買って頂いた方には、本とクリアファイルもお渡ししています」
お坊さんがそう言って、手渡してくれた。初回購入特典も付いてるのかよと、僕の中で「深大寺ライブ説」が濃厚になり始める。本は「深大寺恋物語」という自費出版の本だった。
深大寺のZINEだね。（こんなダジャレを言ったらバチ当たりかな！）
公募で集まった深大寺にまつわる恋愛小説が１８編入っているみたいだ。僕は深大寺が小説の公募をしているとは知らなかった。歴史も長く2003年から始まっているみたいだった。次の募集があったら、自分も挑戦してみたいなと思った。深大寺は歌人の句牌も多くて文学にゆかりのある町でもある。
御朱印帳を買い終えて、僕は境内を出た。どこのお蕎麦屋さんも混んでいたが、比較的空いてそうなお蕎麦屋さんを見つけてとろろ蕎麦を食べた。蕎麦はつるりと喉ごしが良くて、ぺろっと食べ終えてしまった。蕎麦湯も飲んで、心もポカポカ。蕎麦湯って何であんなに美味しいんだろう。蕎麦湯ならずっと飲んでいられる。
お腹を満たした後はつつじヶ丘行のバスに乗って京王線から家に帰った。本当は近くの植物園にも行きたかったが、時間が無くて行けなかった。それはまた次回にしよう。
家に帰り、貰った御朱印を御朱印帳に丁寧にのりで貼り付けると様になるというか、威厳がある。「毘沙門天」と力強い筆で書かれている。粗末に扱わないように、大切に保管しよう。
御朱印帳は右からも左からも開くことが出来る。まずは右から御朱印を集めて、年内に全てのページが埋まったらいいなと思う。僕は漫画や本など収集癖があるので、御朱印帳も早く埋めたい気持ちになっている。でも、スタンプラリー感覚で集めてはいけないとなんかの記事に書いてあった。御朱印帳は神仏とのご縁の記録。参拝する気持ちが一番大事である。だから、必要以上に無理して集める必要もないのかなと思う。
そう言いつつ、次の日も家族で初詣に出掛けて寒川神社でまたひとつ御朱印を貰った。御朱印にも色々あって、寒川神社の御朱印はヘビの可愛いイラストが描いてあり、金箔もあってキラキラしている。深大寺とはまた違った良さがある。御朱印にも個性があるなら、各地の神社仏閣を巡ってみたい。次はどこへ行こうか、結局集めたい気持ちになっているのだった。
深大寺の御朱印帳素敵でしょ？？
