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フランス映画が好き❤『グランド・ジャーニー』

2019年製作(日本公開2020年7月)/フランス・ノルウェー合作
原題:Donne-moi des ailes
監督:ニコラ・バニエ(Nicolas Vanier)

主な出演者
クリスチャン/ジャン=ポール・ルーヴ(Jean-Paul Rouve)
パラオ/メラニー・ドゥーテ(Melanie Doutey)
トマ/ルイ・バスケス(Louis Vazquez)

あらすじ・感想

気象学者で鳥類研究家、自然保護活動家のクリスチャン・ムレク氏(Christian Moullec)の実話をもとに製作。
絶滅危惧種の渡り鳥である雁の研究をしているクリスチャン(父)は、自作の超軽量飛行機で先導し、鳥たちに安全な飛行ルートを教えるという、誰もが呆れるようなプロジェクトを計画していた。そこへ、都会で離れて暮らしている息子のトマが、夏休みを過ごしに連れてこられる。トマは、始めはwi-fiもつながらないようなド田舎の湿地帯を嫌がっていたが、自分になついてくる雁の雛たちを次第に可愛がるようになり、クリスチャンの無謀な計画にも協力することに。そしていよいよ計画を実行するときがやってくるのだが…。

14歳の少年トマと雁の、空飛ぶ冒険の旅である。脚本には、モデルになったクリスチャン・ムレク氏本人も参加しているというが、スウェーデンの児童書『ニルスのふしぎな旅』(Wikipedia)を意識して描いたのかもしれない。トマが途中で出逢った少女に名前を聞かれると、「ニルス」と答えている。そんな小粋な設定も、フランス映画らしいところだ。

とにかく空を飛ぶ景色が美しい。そして鳥たちが可愛らしくて仕方ない。撮影は全てCG無しで、クリスチャン・ムレク氏の指導のもと、実際に軽量飛行機を操縦しながら鳥たちとともに行われたという。観ているわたしたちも、まるで空を飛んでいるようで爽快感きわまりない。

雁を育てながら、みるみる輝いていく少年の姿が、夢や希望を与えてくれる。そしてこのシンプルに美しい映像を観ていたら、誰もが地球の自然を護りたいと思うだろう。クリスチャン・ムレク氏の啓蒙活動が、抗議活動やプロパガンダではない、真に愛の込められた本物であることが伝わってきて、地球への申し訳なさを改めて痛感した。

渡り鳥と空から見るモン・サン・ミッシェルー|映画『グランド・ジャーニー』クリスチャン・ムレク夫妻の特別映像


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