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社会をつくる力を育てる授業づくり34  都道府県の遺産発見プロジェクト<1>

4年生の第4単元は、都道府県内の伝統や文化、先人の働きについて学習する単元です。

(4) 県内の伝統や文化,先人の働きについて,学習の問題を追究・解決する
活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
 ア 次のような知識及び技能を身に付けること。
  (ア) 県内の文化財や年中行事は,地域の人々が受け継いできたことや,それらには地域の発展など人々の様々な願いが込められていることを理解すること。
  (イ) 地域の発展に尽くした先人は,様々な苦心や努力により当時の生活の向上に貢献したことを理解すること。
  (ウ) 見学・調査したり地図などの資料で調べたりして,年表などにまとめること。
 イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
  (ア) 歴史的背景や現在に至る経過,保存や継承のための取組などに着目して,県内の文化財や年中行事の様子を捉え,人々の願いや努力を考え,表現すること。
  (イ) 当時の世の中の課題や人々の願いなどに着目して,地域の発展に尽くした先人の具体的事例を捉え,先人の働きを考え,表現すること。
文部科学省(2017)小学校学習指導要領

この単元では、都道府県内の文化財や年中行事と、地域の発展に尽くした先人の二つのことを追究することになっています。

都道府県内の文化財や年中行事については、地域の中に文化財や年中行事があるということを知るところからスタートです。

そして、その文化財や年中行事の保存や継承に取り組んでいる人々の活動について調べるとともに、文化財や年中行事がまちの発展や人々のまとまりのシンボルとしてあるということを理解していきます。

もう一つの追究対象である、地域の発展に尽くした先人については、開発・教育・医療・文化・産業などの発展に尽くした人物について、当時の世の中の課題や人々の願いを受けて取り組んだことを追究します。

先人の働きについて学ぶことで、自分たちの生活が先人の働きによってつくられた社会の上に成り立っているということを学び、これからの社会をつくるうえで参考にしていくことも考えられます。

地域への貢献というキーワードは、社会をつくる力の重要なポイントになりそうです。

これらの追究対象を、見学・調査したり、地図などの資料で調べたりして、年表などにまとめたりすることが例示されています。

博物館や資料館を活用することが考えられます。

これらの内容を学習するにあたり、以下のように内容の取扱いが示されています。

(3) 内容の (4) については,次のとおり取り扱うものとする。
 ア アの(ア)については,県内の主な文化財や年中行事が大まかに分かるようにするとともに,イの(ア)については,それらの中から具体的事例を取り上げること。
 イ アの(イ)及びイの(イ)については,開発,教育,医療,文化,産業などの地域の発展に尽くした先人の中から選択して取り上げること。
 ウ イの(ア)については,地域の伝統や文化の保存や継承に関わって,自分たちにできることなどを考えたり選択・判断したりできるよう配慮すること。
文部科学省(2017)小学校学習指導要領


ここでのポイントは、4年生で3回目の登場となる選択・判断です。

地域の担い手として、地域の伝統や文化を保存・継承していくために、子どもたちの力が必要とされます。

このプロジェクトを通して、自分たちのすむ社会を創り上げてきた歴史をしることで、これから同じようにまちを担っていこうという子どもたちを育てていきたいと思います。

次回は、プロジェクトを進める際に使えそうな事象を紹介していきたいと思います。


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