社会をつくる力を育てる授業づくり60 日本の森林を守ろうプロジェクト〈2〉
日本の森林を守ろうプロジェクトの進め方を書いていきます。
課題発見の場面では、日本の森林の現状を概観していきます。
まず、国土の単元でも学習したことですが、国土の地形の割合を確認していきます。
山地や高地、平地の割合です。
山地が多いことを確認した後で、山地の様子を写真等で確認していきます。
普段は、航空写真のように、上から見た山地の様子の写真を見ることが多いと思いますので、緑に覆われたイメージがあると思います。
そのような上からの写真から、森林の中の様子の写真を見せていきます。
そうすると、上から見た様子とは異なり、薄暗い森林の中の様子が見えてきます。
このように、きちんと手入れがされていない自然のままの森林の中の様子を見せることで、学習のきっかけとしていきます。
一方で、きちんと手入れがされている森林の様子を写真で見比べると、その違いに驚く子どもたちもいることでしょう。
どうしてこのような違いが起きるのか?と問うていくと、その森林を管理している人に関心がいきます。
ここで、林業という産業について知らせていきます。
林業の仕事の内容や、そのことによって自然にどのような影響があるのかを始めにきちんとおさえておきます。
次に、身の回りの木製品や紙製品についての話に移っていきます。
前回も書いた通り、身の回りには様々な木製品や紙製品がありますので、その原材料がどのようなものかを問います。
そうすると、木が材料であることに気が付きますので、これからもそれらの製品を使い続けるためには、木を活用していかなければならないということに気付かせるわけです。
しかし、先に勉強したように、林業によって手入れをされることがないと、森林としては次のサイクルに回っていきません。
こうした課題をもとに、日本の森林を守ろうというプロジェクトをスタートします。
課題追究の場面では、林業に携わる方々に話を聞いたり、木材を活用する方法を考えている企業の取り組みなどを追究して、林業の在り方を考えていきます。
提案・参加の場面では、これまで追究してきた取り組みをもとに、今後森林を保護・活用するための方法について提案を考えていきます。
木製品や紙製品は身近で多く使われているものですので、その活用について呼びかけていくことはできると考えています。
それぞれの製品の良さを多くの人に知ってもらうのも、森林を大切にしようという思いを育てる有効な方法だと考えています。
このような流れで、日本の森林を守ろうプロジェクトを進めてみるのはいかがでしょうか。
ご参考になれば幸いです。