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価値判断・意思決定#2 夏の学び【39】

今回も、価値判断・意思決定の学習について考えていく。

価値判断・意思決定の授業理論は次のように類型化されている。

(1)論争問題、価値判断力育成
(2)思考力・論理力育成
(3)心理学の成果を生かす
(4)価値の批判的検討を取り入れる
(5)提案する力の育成
(6)授業評価モデル

小野間正巳(2023)「意志決定型授業理論の変遷の分析を通して見たこれからの社会科教育の課題と展望」関西福祉大学紀要26 pp.85ー95

この(1)に、価値判断力と言う言葉が出てくる。

現代社会には様々な課題があり、その課題の解決方法は、価値観の違いによって様々である。

こうした価値観の違いを表出させるために、社会科において論争問題を取り上げることが必要である。

ただ、価値観の違いによって引き起こされる論争問題は、複雑に絡み合っているので、その構造を子供たちが理解するのはとても難しい。

発達の段階に応じて、適切な論題を選択しないと、子供たちが考えた解決策が絵空事になってしまうことも考えられる。

小野間(2023)は、社会的問題の選定規準として、3・4年生では、地域社会生活に関わる問題として、ごみ問題、伝統文化の継承問題、商品購入問題、災害・交通事故問題を挙げている。

こうした生活に密着した問題であれば、子供の経験に基づいて話をすることができるので、その段階に応じた価値判断力が身につくと考えている。

論争問題を考える手立てとして、トゥールミンモデルがある。

論争問題で合意するために、お互いに歩み寄る条件を考えるなど、自分自身の意思決定をわかりやすく表現したり、意思決定の内容の変化などを可視化するためのモデルがトゥールミンモデルである。

こうしたモデルを社会科の論争問題に取り入れることで、問題の構造が可視化されて、合意できるところが何なのかをはっきりすることができる。

選挙でもそうだが、問題に対する解決策AとBがあって、それが対立するものの時、AではなくA'、BではなくB'のように、解決策を改善することだったり、AでもBでもないCという代替案を考えるのも、論争問題の解決手段として重要なことである。

こうした理論をもとにして、価値判断・意思決定力を育てる授業を計画していきたい。


今回は、価値判断・意思決定の授業理論について調べたことをまとめてみた。

お読みいただきありがとうございました。

ご参考になれば幸いです。


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