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「妻」って言葉の意味は「添えるもの」らしい

「ねえ、最近、"家内"とか"主人"、"奥さん"、"旦那"、って言葉がタブー視され始めてるらしいよ。今朝テレビでやってた。」

そうなの?でもお母さんも、外でお父さんのこと言うとき”主人”ってよく使ってるよね。男尊女卑を思わせるから良くないってこと?

「そうそう、そんな感じ。男性が主の存在で、女性は家とか奥にいる存在である、っていうのは今の時代に合わないよねって。」

なるほどねぇ。でもそしたら代わりになんて言い表すの?

「"妻"と"夫"で言うのが新しいスタンダードになりつつあるみたい。」

その手があったか。でも、外で話す時、人の配偶者を"妻"や"夫"で呼ぶのはまだ不自然な感じがするような。


しかし夕食用にスーパーで買ってきた刺身を見て思った。

そういえばさ、刺身の下に敷かれてる大根の千切りのことも、"つま"って言うよね、"妻"と語源一緒だったりしないのかな。

「あ、言われてみればそうだね。」

ほら、辞書で調べても、「つま」の欄には夫と「妻」の意味と、添える「つまもの」の意味が同じところに載ってるよ。

「ほんとだ。そしたら、"家内"や"奥さん"が良くないなら、きっと"妻"もあんまり良くないよね。」

そう思う。昔から女性は男性をたてるっていう文化がもともとあるから、結局、日本語に男女平等に配偶者を表す言葉はもしかしたらないのかもしれないね。

「そうかもね。」

そしたら他にいい呼び名はないかな。

「うーん…」


数ヶ月後、ずっと考えても良い代替案が見つからなかった私は、母にこの話題をもう一度持ちかけた。

「あ、そういえばそんな話ししたね。」

忘れてたのか。

「あ、じゃあ相方はどう?」

え、いいねそれ!それこそ本当に平等な感じがする!すごい、私あれからずっと考えてても思いつかなかったのに。しかも相方なら、ジェンダーも関係ないね。いろんな結婚の形がある今の時代にもぴったりじゃない?

「本当だね、さすがお母さん。」

自分で言うんかい。じゃあ、これからはお母さんが外でお父さんのことを話すとき、"相方"って使ってよ!

「えー、まあ、友達とフランクに話す時なら使ってみてもいいかもしれない。気が向いたら。」

…絶対使う気ないじゃん。きっと、今までの習慣を壊すのは勇気もいるしなかなか難しいよね。
新しいスタンダードが浸透するのはもう少し先になりそうだが、私はこの新しい"相方"の使い方を推していきたい。

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