日本人に生まれて良かったと、思う瞬間。パンや洋食が続くと、和食を前にホッとする。
写真上は、熊本ホテルキャッスル ダイニングキッチン九曜杏の天ざる膳である。筆者用にカスタマイズされたもので、グランドメニューのそれよりやや軽めで、おにぎり1個にその日の具が特徴だ。
先ず、ざる蕎麦を頂く。冷たいざる蕎麦と雖も、できるだけ早めに食す方が旨い。最初に塩だけで蕎麦を食し、それから、わさびバリバリにしてツユで食す。結構盛ってあるが、食す時間はほんの数分。
それから、塩をチリっとまぶした天ぷらを齧り、次におにぎりを頬張る。天ぷらのサクサク音と同時に油が口の中でじわりと広がる。音と香ばしさを楽しむ和の料理だ。そこで、海苔をパリッと引き千切りながら、おにぎりに向かう。
今日のおにぎりの具は、脇宮盛久料理長監修の辛子明太子である。魚卵大好き人間にとっては、最高の具となる。特にこの辛子明太子は、一般的なスーパーで販売しているものよりも、はるかに旨い。米、辛子明太子、そして海苔が三位一体となり、空腹を癒してくれる。
いつも思うことだが、おにぎりは世界最高の料理であると。具を変えれば、一つ一つが、小さなランチボックスとなり、たくさん食べても、米だから、そんなにアレルギーが出るものではない。それと、パンや麺とは異なり、胃袋の心地良さが数段違う。
屋外は土砂降りの雨。取材を断念した時ほど、ランチに集中するので、このような素朴ながらも美食に接すると、至福の極みとなる。
ご馳走様でした。
▼写真下は、コスパが素晴らしい「てまり膳」の料理群
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