トイレの美しさにより、その施設レベルが窺い知れる。
ある日のこと。熊本県北部にある道の駅へ足を運び、トイレを利用しようとしたが、施設内にある外部トイレには「国土交通省管理」の看板ようなものがあり、ドアは壊され、便器も壊されている惨状を見て、腰を抜かしたことがある。
多分、心無い人物が破壊行為に及んだに違いないが、公衆トイレのこの有り様は見るに耐えず、また、その道の駅の管理体制にも問題がある。いくら「国土交通省管理」のトイレといえども、破壊されたまま放置しているところが、理解し難い。
また、熊本県北部の別のコンビニに立ち寄ったところ、トイレが極めて狭く、三角形の部屋に閉じ込められ、上着を掛けるところもない。冬だったのでコートを着ており、頭の上にコートを載せたままトイレ利用となるが、そこが和式だったので、冷やさせものとなる。
この時代に、和式トイレを保有しているところが信じがたく、特に、高齢者が利用する場合、段差がある和式トイレで、かつ、狭すぎる場所に強引に設置しているとなれば、万が一、高齢者が転倒すれば一大事である。
更に、別の道の駅の男子トイレ施設を伺うと、小と大のトイレがあるものの、大の扉を開けると、荷物を置く場所も何もない。ただ、驚いたのは、天井が開放されているのは構わないが、子供の手のひらほどの大蜘蛛が天井から降りてきたのであった。
更に更に、熊本県北部のダム施設の中にあるトイレを利用しようとすると、性懲りも無く、和式トイレである。食事中の方には大変申し訳ないが、そのトイレの中にカブトムシやクワガタの死骸が浮いていた。ダムには観光で訪れる人も多いが、このような施設の現状は、時代遅れでしかない。
これは日本の地方に限ったことではないが、マレーシアの国際空港のトイレなども、利用客が粗雑な扱いをしており、足の踏み場がないほどに汚く、結局、便座の上に野球のキャッチャーのようなスタイルにて、用を済ませたこともある。
ヨーロッパでは、例えば、イタリア、フィレンツェのフェラガモ本店に足を運びトイレを尋ねると、何となく買い物をしなければ案内しないような雰囲気であり、買い物を済ませると、奥の立派な広々としたトイレへ案内してくれた。
また、その他施設のトイレに行けば、トイレ利用料徴収の人が椅子に腰掛けており、お金を支払ってトイレを利用することになる。多分、トイレ清掃担当兼利用料徴収係だと思われるが、それなりにしっかりと清掃は行き届いている。
数十年前の日本の駅前などの公衆トイレは、二度と使わないほどに、汚く、施設内外に悪臭が立ち込めていた。現在の駅前にはそのような嘔吐を催すようなトイレ施設はなく、駅内にトイレ施設があるところが多い。それでも、博多駅などでは場所によりけりだが、並ばねば用を足せないところもあり、建設当時、トイレについての関心が如何に希薄なのかが窺い知れる。
現在では、水洗トイレがほとんどであるが、場所によっては、美しいトイレを探すのが困難なところも多々ある。佐賀県のダム近くの食事処では、手動水洗トイレであり、用を足した後に、自分でホースを使って流すという、何とも言えない気持ちになってしまう。よって、食事が不味くなる。
食事処のトイレについては、衛生管理が行き届いた施設が必要ではないかと思うばかり。現在でも、市内の食事処で格差があるのが、トイレである。シティホテルでは洋式トイレばかりでありほっとするが、時には、狭い個室トイレの隅々にゴミが溜まっているのを見かけると、衛生管理への意識が薄いと判断せざるを得なくなってしまう。
町場の食事処も然り。どんなに料理が上質で美味だとしても、トイレの衛生管理ができていないところは、信用しないことにしている。特に、なま物を扱う食事処では、厳しい目をもってチェックしなければ、食中毒になる可能性も無きにしも非ず。
勿論、トイレを利用する側の人たちが、民度高く、「使う前より美しく」にて利用すれば、トイレの衛生管理はよりレベルアップするのではなかろうか。低民度の人は、男女に限らず、トイレ利用が粗雑であり、汚しても知らぬ顔して立ち去る人が多い。また、某ホテルにてトイレットペーパーを大量に盗む、厚かましい婦人の姿を見かけたこともあった。
筆者が人を見るときのチェックポイントは、食事の取り方とトイレなどの公共施設の使い方を重要視することにしている。その所作を見るだけで、その人の民度の高さが判断できる。そこを仕事のパートナーとして適正か否かの第一関門にしている次第。
偉そうな言い方かも知れないが、他人の物を大切に取り扱う配慮のある人は、ほぼ、仕事でもしっかりとしたパートナーとなってくれる。粗野な面を見て、その人の全人格を判断するのは極端であるが、書類の扱い方、その他、資料や名刺の受け取り方などの挙動にて判断するようにしている。
民度のほどが一番わかりやすいのは、食事の取り方である。食べ物を口に入れたまま大声で喋ったり、奇妙な箸の使い方、器の持ち方など、具に観察していると、その人の民度が、一瞬にして判断できる。
蛇足ながら、打ち合わせ会議において、ラップトップを持ち込んできた人の液晶画面やキーボードなどをチェックすることがある。ベタベタと指紋がついた画面や、食べ物や飲み物のシミがついたキーボードを見ると、呆れて口が塞がらない状態となる。仕事のツールを粗野に扱う人で、仕事をきっちりする人は皆無に等しいので、要注意となる。
▼ChatGPT-4oによる感想
このエッセイの分析および感想を以下に述べます。
分析
テーマと構成
このエッセイのテーマは「トイレの美しさや清潔さが施設全体のレベルを反映する」という観点から、公共施設や飲食店、さらには国際的なトイレの状況を観察し、その清潔さを通じて人々のマナーや民度、管理体制の問題点を指摘しています。
文章は、ユーザーが実際に訪れた場所での経験談やエピソードを基に展開され、具体的なエピソードを通じてメッセージを伝えています。国内外の事例や比較も含まれ、幅広い視点から「トイレの重要性」について考察が行われています。
スタイルと文体
文章のトーンは、批判的で鋭いものの、具体例に基づいた実体験の記述が説得力を与えています。自らの視点から評価する際に、辛辣な意見を交えつつも、ユーモアや皮肉を感じさせる表現が巧みに織り込まれています。
特に、トイレの状態を通じて「民度」や「他人の物の扱い方」を重視する姿勢が明確に示されており、読者に対して自分たちの行動に対する自省を促すメッセージ性が強いです。
主要な論点
トイレの状態と管理の問題: 熊本県北部の道の駅やコンビニ、ダム施設におけるトイレの状態に触れ、施設管理の不備や和式トイレの現状を指摘しています。この観点は、単なるトイレ利用の不便さにとどまらず、施設全体の管理能力や利用者の利便性に対する配慮を問う内容です。
民度と公共マナー: トイレ利用におけるマナーや民度に着目し、粗雑な利用や他人の物を大切にしない行動を批判しています。これは、公共マナーが社会全体の品位を表すものであるという考えに基づきます。
仕事のパートナー選び: トイレや食事のマナーを人を見る際の基準として重視しており、そこから相手の民度や仕事ぶりを判断するという観点が興味深いものです。これは、細部にこだわる姿勢が全体の仕事ぶりに表れるという考え方を反映しています。
感想
このエッセイは、一見して「トイレ」に焦点を当てた内容ですが、実際には人間の行動、マナー、社会の管理体制の在り方に対する深い洞察を含んでいます。文章全体を通じて、著者の体験談が生々しく描写されており、現実の問題を浮き彫りにしています。特に、清潔さや公共マナーを重視する姿勢は共感を呼び、読者に対して自分の行動や日常を見直すきっかけを与えるものと感じられます。
また、トイレという日常的な空間を通じて人間性や社会の在り方を論じる点において、単なる批評ではなく社会的メッセージ性の強いエッセイとなっています。特に、施設の管理状況やマナーについての指摘は、現代社会においても重要なテーマであり、関心を引くものです。最後に、仕事のパートナー選びにまで言及した視点は、著者の価値観や日常のこだわりが反映されており、興味深い展開です。
サポート、心より感謝申し上げます。これからも精進しますので、ご支援、ご協力のほどよろしくお願いいたします。