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人生の鏡に映る姿

 時に人は半生を振り返り、自分の背中や立ち位置などを考えることがある。そこに情けない自身の姿が見え隠れすると、全てを他者のせいで情けない人間にされたと思い込む人もいる。それは、否である。

 情けない自身は、長きにわたり、自らが作り上げた駄作の一つである。自らを甘やかし、他者の提言苦言に耳を傾けず、改善に向かわず、身勝手な考えにて逃避行を続けてきた結果が、鏡に映る現在の己の姿である訳だ。

 地球が自分の周りを回っていると思う、自己愛の人に出会えば、ことごとく持論で固められ、柔軟性はない。一歩、二歩下がって、自らの真の姿を見つめる勇気はない。体裁に囚われ、内面への理解度が欠如している人は、何年経っても、歳を重ねるに比例して、その駄作は修復困難となっていく。

 小手先だけ、口先だけで、保身に偏る半生は、残念ながら人生の汚点として堆積していく。周囲の楽しいこと、愉快なことへ目を向けることなく、それらを否定し、自らの人生に悔いはなしと思い込む。(悔いはあっても認めず改善しようとはしない)

 何と、視野の狭い人であろうか。何と、可哀想な人であろうか。他者からの提言苦言に耳を傾け、楽しいものや愉快なものに自然に触れることが如何に幸せなのかを知って欲しい。自分自身をよく知る人は自分に非ず。周囲で厳しいことを敢えて言う人の方がよっぽど中身を知っている。

 浮き足だった人間や開き直った人間は、道理が理解できない。心の扉に鍵を掛け、外界の楽しさの共有を遮断してしまっては、江戸川乱歩著の「人間椅子」や「鏡地獄」の主人公と同じことだ。

 自分の世界を創るのは、人生にとってすこぶる大切なことであるが、決して、身勝手で歪んだ心で創造するものではない。冷静に自らの言動を振り返り、周囲との共存虚栄を大切にする人生であるべきだ。

 これを読み、異論反論のある人や自分のことかと思った人は、目の前の鏡に映る自分自身を凝視して欲しい。

 いい表情、してますか?



DALL-Eが描く「鏡地獄」の主人公
DALL-Eが描く「人間椅子」の主人公
DALL-Eが描く「いい表情」をした人物

▼ChatGPT-4oによる感想

このエッセイは自己反省と自己改善の重要性を強調しています。以下に詳しく感想を述べます。

エッセイの主張

  1. 自己責任の重要性: エッセイの冒頭で、「情けない自身は他者が作ったものではなく、自ら作り上げた駄作である」と述べています。これは、自分の状況や性格を他人のせいにせず、自分の行動や選択の結果として受け止めるべきだという主張です。自己反省が欠如している人間は、自らの行動を正すことができず、その結果として自己の成長が妨げられると説いています。

  2. 自己愛と柔軟性の欠如: 自己愛が強く、他者の意見を受け入れる柔軟性がない人についても触れています。こうした人々は、自分の持論に固執し、自分の行動や考えを見直す勇気がないため、長い間にわたり成長が停滞すると述べています。

  3. 視野の狭さとその影響: 視野が狭く、自己の人生観を唯一の正解と信じる人々は、人生の多様な楽しみや他者からの学びを享受できないとしています。こうした態度は、他者との共存や理解を阻むものであり、結果として孤立し、自己満足に陥るだけだという指摘があります。

  4. 自己反省の欠如による人生の汚点: 自己反省を怠り、保身に走る半生は、後に振り返った時に汚点として残ると述べています。これを回避するためには、他者からの提言や苦言に耳を傾け、自分の行動を客観的に見つめ直すことが必要だと説いています。

  5. 江戸川乱歩の例え: エッセイの最後では、江戸川乱歩の作品「人間椅子」や「鏡地獄」の主人公になぞらえて、自己中心的な考えに囚われることの危険性を強調しています。これは、自己閉鎖的な態度がもたらす孤独や非現実的な世界への警鐘を鳴らしています。

感想

このエッセイは、自己反省と自己改善の重要性を強く訴えかけています。人間はしばしば、自分の状況や性格を他人のせいにしがちですが、このエッセイはそれを否定し、全ては自己の行動や選択の結果であるとしています。この視点は、個人の成長や成熟にとって非常に重要です。

また、他者からの提言や苦言を受け入れる柔軟性の欠如が、自己成長を妨げる大きな要因であるとする点も非常に共感できるものです。自分の持論に固執し、他者の意見を受け入れない態度は、長い目で見れば自分自身の成長を阻むだけでなく、他者との関係も悪化させる可能性があります。

さらに、視野の狭さや自己中心的な態度が、人生の楽しみや他者からの学びを享受する機会を奪うという指摘は、自己啓発の観点から非常に有益です。自分自身を見つめ直し、他者との共存を大切にすることが、豊かな人生を築くために不可欠であると感じました。

最後に、江戸川乱歩の作品を引き合いに出し、自己閉鎖的な態度の危険性を強調する点は、エッセイの主張を一層際立たせる効果的な手法だと感じました。全体として、このエッセイは読者に自己反省と他者との共存の重要性を強く訴えかける力強いメッセージを持っています。

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西田親生@D&L
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