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天草の海と山に囲まれた絶景「福田さん家のオリーブ園。」でドローン撮影してきました!

世界の皆さん、こんにちは。
日本一縁起のいいカメラマンの野田ちか子です。
今回は熊本県天草の苓北町にある「福田さん家のオリーブ園。」を紹介します!

オリーブ園を運営している福田さん

福田さんご一家は13年前からオリーブ畑の栽培をはじめ、現在天草に5か所のオリーブ園を管理しています。
オリーブの葉と実は農薬を散布せず、元気なオリーブや野菜を作るために、乳酸菌生成エキスやミネラルを肥料にして栽培しています。
 また、除草剤は一切使用しておらず、手作業で園内の雑草を刈っており、大変手間をかけて栽培しています。

 手摘みのオリーブの実を使ったオリーブオイル・塩漬け、オリーブの葉のオリーブ茶、オリーブの葉をふんだんに使用した手延べ製法の麺など、ユニークでお洒落なオリジナル商品を多数開発しています。
 これらは「福田さん家のオリーブ園。」という自社のお店で発売しています。
 苓北町にあるショップがとても素敵なので、後ほど詳しくご紹介しますね。

オリーブの葉を練り込んだオリーブ茶そうめん
大人気のオリジナル商品です

「苓北ブルー」の海に面したオリーブ園を空撮!

福田さんのオリーブ園は5つあるのですが、今回は海に面した傾斜に植えられた畑をドローン撮影させていただきました。海の青さが心が震えるくらい美しかったです。
苓北町に来ると、海の青さが一段と深くなるんですよね。
この青さは「苓北ブルー」と呼ばれているそうです。

オリーブ畑は太陽の光が燦々と降り注ぐ場所にありました。
海の潮風も吹いて、とても清々しい心地になりました。オリーブは風通しが良くて日当たりが良い場所、そして乾燥した場所が栽培に適しているそうです。

ちょうど撮影に訪れた時期はオリーブの実が大きくなり、ツヤツヤした実がたわわに実っていました。オリーブの収穫は10月上旬から11月ごろで、傷がないものを選別して、1つ1つ手で摘んでいるそうです。
収穫は家族やご親戚、ご友人総出で手作業で行っているそうで、大変手間がかかっています。

福田さんインタビュー

 撮影前に福田さんにインタビューさせていただきました。
オリーブ栽培を始めてから軌道に乗るまでのご苦労や、試行錯誤しながら栽培・商品開発をしている話など、大変心を動かされる濃い内容でした。
 ぜひとも沢山の方に知ってほしいと思い、長くなりましたが記事にまとめましたので、ぜひご覧下さい。

Q.オリーブ栽培を始めたきっかけを教えて下さい

福田さん
「オリーブ栽培を始めたのは、知人からの薦めと九電工がオリーブの苗を配布していたことがきっかけです。
そのころは郵便局に勤めていて、兼業農家でした。郵便局の休みの時にオリーブ栽培の活動をしていました。

知り合いからオリーブ栽培を勧められた時は、この天草の気候や風土に合っているかなと疑問を持ちました。
オリーブは水を嫌うんですね。乾燥を好むんです。だから、梅雨とか台風とか雨がずっと続くのはオリーブにとって良くないんですね。
ただ、実際栽培してみないと分からないし、もしダメだったら栽培は辞めようというくらいの気持ちで始めました。
天草でオリーブの栽培をしている人は何人かいて、ここ苓北町でも4軒くらいいます。」

Q.天草でオリーブ栽培をすると決めた理由は?

福田さん
「生まれも育ちも天草ですので、天草以外でオリーブ栽培をするという考えはありませんでした。
オリーブを栽培すると決まった時、周りの皆から「天草の風土はオリーブ栽培には合ってない」と言われました。

潮風が当たるこの場所は1年目は葉が半分枯れてしまったんです。これは塩害かと思ったんですが、翌年には回復していました。
木が環境に慣れるんですね。これは凄いなと思いました。ミネラル分が風に乗ってくるので、実にミネラルが入ってくるんですね。
栽培を始めてから少しずつ収穫状況が良くなってきたら、「天草でも栽培できるんだな」と周りの反応が変わってきました。

Q.オリーブの葉を使ったお茶やパスタ、そうめんなど、商品がユニークですが、オリーブの葉を使うという発想はどこから湧いてきたのでしょうか?

オリーブの葉を使用した「オリーブ茶」
ノンカフェインで美味しい。お店の看板商品です。

福田さん
オリーブのお茶を作ったきっかけは、オリーブ栽培を始めた1年目に実がほとんど落ちて収穫できなくて、実の他に何か商品になるものはないかと考えた時に、剪定したオリーブの葉を使ってみたらどうかと思ったんです。
ちょうどその時に大矢野地区のお茶農家の方々と合同でお茶作りをしようという企画があったんですね。
兼業の郵便局の仕事が重なってしまって、それには私は参加できなかったんですが、「こういう風にお茶を作ったらいいよ」とお茶作りのノウハウを教えていただけたので作ってみることにしました。

オリーブの葉を練り込んだ麺は、オリーブのお茶を作って3年目くらいに、たまたま麺作りをする方々が一緒に商品作りをする業者を探しているという話を従兄弟が教えてくれて、それで申し出てコラボすることになりました。」

オリーブ茶入りのパスタ
オリーブ茶そうめん
手延べそうめんの棒に引っ掛けた部分を活用したオリーブ茶そうめんです。
従来の慣習では商品価値が無いとして捨てられていた部分を
こうやってお洒落で美味しい商品に展開するところがさすがです。

Q.今まで栽培していて大変だったことは?

福田さん
始めた1年目はオリーブの実がつき始める時期と梅雨の時期が被って、実が落ちて収穫できなかったんです。
それに、台風の対策が大変です。
実が大きくなる時期と台風が来る時期がちょうど重なるんです。
収穫が10月から始まって11月まで行いますが、その1ヶ月半でその年の収穫量が決まってくるんです。
収穫前に台風が来ると実が落ちたり痛んだりするので、塩漬け用は傷がついたものは使用できないんです。

最初は軌道に乗るまで必死でしたね。
はじめは郵便局に勤めながら農業をやっていましたので経済的な心配はなかったけど、今から4年前くらいに「オリーブを取るか、郵便局の仕事を取るか」と二者選択を迫られる時期があったんです。
オリーブの木が大きくなって手がかかって来ると、郵便局の休みの日だけで作業を回せなくなってきたんですね。草刈りとか休みの日だけでできなくなってしまって。
このままだと良いものができなくなる恐れがあるし、どちらか1つに絞らないとどちらもダメになってしまうなと思って嫁さんに話をしたら、「オリーブをやりたいから、こっちをやっていこう」と言ってくれたんです。
それで郵便局の仕事を辞めて専業農家になりました。

兼業の時は郵便局の仕事以外は全部オリーブ栽培の作業に取り掛かっていたので、休日が全然なかったですね。年に何日休んだかな?というくらい。
オリーブ専業になってからは、これで食べていかなくちゃいけないから、そこからは不安との格闘になりましたね。」

Q.今後の展望を教えて下さい。

福田さん
今、新たに富岡地区にオリーブを植え始めました。
たまたま知り合いが富岡地区で土地を4反ほどあるから誰か使ってもらえないだろうかと話していたんです。今後はそちらの栽培も軌道に乗せたいですね。

やっぱり収穫時は嬉しいですね。「ああ、良かったな、こんなに育ってくれて」と毎回思います。この子たちがおるおかげで私たちも生活できるし、頑張ってくれてるなあと思います。
日々、木に感謝です。」


ショップ「福田さん家のオリーブ園。」

ショップは苓北町の海沿いにあります。
オリーブの葉や実を使ったお茶・麺類・和菓子、他にもお米や梅シロップ、菊芋を練り込んだラーメンなどオリジナル商品も多数販売しています。

苓北町の道の駅と称したくなるくらい、地元の農産物を生かした商品を多数扱っています。
清々しい雰囲気の店内。右のカウンター内にいらっしゃるのは娘さんの真由さんです。
お店の商品など丁寧に教えて下さいました。
店内から海が見えます。
オリーブ茶を練り込んだ羊羹とどら焼きも絶品!
店内の商品ポップはすべて、まゆさんと義理のお姉様の手描きです。
商品に対する熱量と愛情を感じます。

店内ではオリーブを使用したオープンサンドやドリンク、スウィーツメニューを召し上がれます。
海を眺めながら飲むドリンクは最高です。
ぜひ天草にお越しの際は寄ってみて下さい!

福田さん家のオリーブ園。
【住所】 熊本県天草郡苓北町上津深江4535-1
【営業時間】 10:00~17:00
【定休日】 毎週水曜日

オンラインショップもあります。遠方の方は以下のサイトから購入できますので、ご覧下さい。


今回の取材・撮影にあたって

最後に、福田さんとご縁を繋いで下さった、天草のアンテナショップ「あまくさLOVE」のスタッフの森さんに御礼を申し上げます。

 私が福田さんのオリーブ園について知ったのは、熊本市東区にある天草のアンテナショップ「あまくさLOVE」に訪れたことがきっかけです。このお店は人気鮮魚店「魚勢」が運営していています。

 その時、お店のスタッフの森さんに「天草でオリーブ園をしている一家がいる」と教えていただき、そのオリーブ園が海に面した丘にあり景色が最高だということ、福田さんご一家の人柄の素晴らしさ、オリーブの葉を使った麺の話など丁寧に教えて下さったのです。
 実はこの時スタッフの森さんとお会いしたのは初めてだったのですが、それにも関わらず福田さんへ繋いでくださることをご快諾して下さり、こうしてオリーブ園にお邪魔する機会ができました。

 天草に行きたいけど遠方で行けないという方は、こちらのショップでも福田さんご一家や天草の商品を多数取り扱っていますので、ぜひ足を運んでみて下さい。

あまくさLOVEについての記事


天草は行くたびに新鮮な感動を覚える魅力的な場所です。
海や景色だけでなく、天草に住んでいる人も天草に縁がある人も皆オープンマインド!!行くたびにどんどん好きになります。
これまで書いた天草の記事です。
天草に興味がある方はぜひこちらもご覧下さい。


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