見出し画像

2024.9.30 「可愛らしさ」とは

「立てば芍薬座れば牡丹、歩く姿は百合の花」女性の美しい立ち居振る舞いを表した言葉だ。人の「美しさ」はどこからくるのだろう。言葉遣い、佇まい、姿勢、それとも顔つきか。

映画『ミセスハリス、パリに行く』では、主人公のハリスは「ロンドンの冴えない家政婦さん」という位置付けだが、一挙一動がとにかく可愛らしい。60歳という設定なのだが、自然な可愛らしさが溢れ出ていてまるで少女のような一面も見せる。

くるくると変わる表情に、少し大袈裟な身振り手振り。自分の感情を素直に表現し、かつ周囲への優しさを常に忘れない彼女のキャラクターゆえか。こういった自然な可愛らしさはどうしたら身につけられるのだろうか。

感情的な人と一緒にいると、かなり疲れる。前職の上司がまさにそれで、「どれだけ俺をコケにするんだ!」と怒ったり、「イラっとした」と口に出したり、まるで小学生のような怒り方をする人だった。かと思えば、機嫌がいい時はニコニコと近づいてくる。ある意味素直に感情を表す人ではあったが、一緒にいるとかなり疲れた。

ミセスハリスの魅力は、やはりその優しさだと思う。作中で彼女は何度も辛い局面に出会い、悲しみ、絶望するが、その度に周囲の人の善意に救われる。フィクションだからと言ってしまえばそれまでだが、親切が親切で帰ってくる、そんな優しい世界であってほしいな、と殺伐なこの世の中を見ていて思わずにはいられない。

いいなと思ったら応援しよう!