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その議題は自分の人生に合っているか?
タイトルに惹かれて、何気なく読んでみた本。
きっと、出会い系サイトで出会う登場人物が面白い本なんだろうな、と勝手に予想していたのだけれど、期待は完全に裏切られた。
どちらかというと、生き方とか、コミュニケーションとか、仕事とか。
私たちが人生において、たいてい悩み、立ち止まることについて書かれていた。そして、著者も同じように悩み、変わるきっかけをくれたのが「本を人に紹介する活動」だった。
確固たる信念を持って、人と違う価値観を生きる人を見ると、なぜ元気になれるのだろう。
本の中には、ほんとーうにいろんな人が登場するのだけれど、自分の人生をちゃんと生きている人に心惹かれた。
人からどう評価されるかではなくて、自分が好きなもの・ことを軸に健やかに生きられる人。きっと自分が持っていないものを持っているから強く惹かれるのだと思う。
解けたからわかる。私が突き付けられているような気がしていた普遍的な議題ーたとえば「独身と結婚しているのとどちらがいいのか?」「仕事と家庭のどちらを優先すべきか?」「子どもを持つべきか持たないべきか?」ーそもそもの問いが私の人生の重要な議題とずれていたのだ。
こんな問いに立ち向かわされているとき、いつも自分の輪郭は消えそうで、きちんと答えられなくて不甲斐ない気分になることは、自分がいけないのだと考えていた。でも今夜、この今、自分の輪郭は電気が流れそうなほどにくっきりとしてびかびかと発光していた。
自分にフィットする世界や、人生の議題を見つけると、こうも人は力強く生きていけるのか。
最初は「どんな本が紹介されるのだろう」という想いでページをめくっていたけれど、本を介して人に会うことによって、どんどん変わっていく著者のその先を知りたくてどんどん読み進めていった。
本を読むことって、誰かの人生を追体験することでもある。まさにそんな感じだった。自分自身のことを過不足なくとらえて、語れる人の言葉は心に響く。
きっと、上からでも下からでもない対等な目線で語りかけてくれるからだろう。
だから、特別な人の特別な経験としてのお話ではなくて、明日自分にも起こりうるかもしれない出来事として、すっと心に入ってきたのだと思う。
また時間が経ってから読み返したいなぁ。
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