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眠れない夜もある。思考が止まらない時は、あえて止めないことだ。

宇宙では随分昔、ビックバンが起こった。遥か遠い昔のことだ。我々はその膨張中にいる、いわば意識である。眠れない夜だってある。眠れない時はあえて止めないことだ。眠れないことを考えていると余計眠れなくなる。しかし、眠れないことを考えないでいるといつの間にか寝ているものだ。つまり、意識するべきものと意識しなくても良いものに分け、意識しないものや、意識しないで良いものはその場では忘れてしまうことだ。また解決できない出来事もまたその場で答えを求めようとしないことだ。答えは常に自分の中にある。その答えを肯定しようが否定しようが、人はそのことに悩む。純粋でかつ未熟だからだ。意識と精神は一元的ではない。精神は意識を寄せ集めたクラウド中にあって、常に高尚な問題。解決法を投げかけてくる。人が人である限り、このテーゼを打ち崩すことはできない。長くなった。大切な人の手術が明後日に控えていて、なんだか胸がそわそわする。夜の海。辺りが見えない中で波の音がしている。次の瞬間、何かが起こるはずではないのに、見えないことが不安をかき立てる。鼻から大きく新鮮な息を吸い、口からゆっくりと吐き出してみる。何ら変わったところはない。精神は大したことじゃない。何も考えるなと話しかけてくる。しかし、意識は自由だ。大切な人の寂しさ、孤独、不安。それを分かち得ないことの悲しみは、新雪に指を突っ込んだ瞬間のように冷たくまた硬く、そして私の中の熱を奪っていく。何事もなかろうが、私はどこかそわそわとしている。その人が大切なんだなと思う。その事実だけで充分ではないかと考えた。

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