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お父さんの唾のついた箸は汚いから

明日は風が強くなる。もしかすると春一番が吹くかもしれないというので風のない今日こそが撮影チャンスだとばかりに日の入りを撮りにいつもの場所へ行ってみた。

ちょうど息子が学校から帰ってきたので一緒に行くかと聞いたら行くというので二人で自転車に乗った。ぼくは重たい三脚をたすき掛けに背負っていたから坂道が辛い。それでペースが落ちたけれどもそれが息子にはちょうどよかったようだ。

日没は17時20分で、だけど山の稜線の上に雲が出てしまって17時ごろで太陽が隠れてしまった。本当は稜線を縁取るリムライトが撮りたかったのだけど自然相手だから仕方ないね。

空の反対側を見るとまんまるのお月さまが出ていた。満月だった。アングルを探したけれどもこれといってピンと来ず、ただ月を眺めて終わった。

さあ帰ろうと声をかけて再び自転車にまたがった。途中の自動販売機であったかい飲み物を買って二人で飲んだ。こういうとき息子はとても嬉しそうな顔をする。それはロイヤルミルクティーが美味しいからではなくて、お父さんと二人だけの時間を喜んでくれている笑顔であって素直でかわいいヤツだなあと思う。

家に戻ると子乗せ自転車にすぐさま乗り換えて娘を迎えに行く。今夜は食事の用意を全然していないけれども昨日妻が唐揚げを作っていてそれの残りがあるから大丈夫だろう。

娘を乗せて帰宅すると電光石火の素早さで卵焼きを焼いた。卵4個を割って砂糖を投入して甘い卵焼きにするのだ。卵はLとMの中間くらいの大きさで3個だとちょっと小さくて4個でちょうどいい大きさになる。

食事中にほら卵焼きもっと食べなよと娘の皿に一切れ乗せたら、お父さんの唾のついた箸で持ったから汚いのでもう食べられないなどとぬかした。ぼくはちょっぴり悲しみを覚えつつも娘の成長を実感したのであった。

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ちいさな島
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