キミが作ってくれたものならば。
娘がレジンアクセサリーを作りたいといって、一緒にパーツクラブへ買い物へいったのがひと月程前のこと。レジンの値段の高さにおののいたけれども、本人がやりたいというのだからと思って買ったのだった。
それから娘は部屋を汚しながらせっせとハンドクラフトにせいを出して、うまくいかないとぼくに八つ当たりしたりした。
おとうさんにもなんか作ってあげようか。
そう、じゃあ作って。
何色がいい?
青かな。
わかった。ちょっと待ってて。
レジンと同時に購入した6Wの紫外線ライトは弱すぎてレジンを完全硬化することができなくて、真夏の強すぎる太陽にさらしたら一瞬でカチカチになった。やはり紫外線量が半端ないようだ。
なんかまるでラピュタみたいだね、とぼくは言った瞬間にそれは飛行石になった。
そうしたら娘は急にあげるのが惜しくなってしまったらしくて、返してよというと返してくれないから、じゃあいいよと言うといいよいいよと戻ってきた。
ぼくはこれをキーホルダーにした。そうしたらいつも持っていられるからね。
ところどころいびつな形をしているけれど、あばたもえくぼ。キミが作ってくれたものならば、どんなものだってぼくにとっては宝物さ。
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