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フォトグラファーが選ぶキッズカメラ

娘が誕生日プレゼントにデジカメが欲しいという。
以前友達が持っているのを見て以来欲しくて仕方がないらしい。それで調べてみるとキッズカメラというジャンルがあることを知ったのである。

キッズカメラ或いはトイカメラと呼ばれるそれらのカメラは安いと二千円くらい。高くても1万円はしない。そしてほぼすべて中国メーカー製だった。それからほとんどのカメラにはゲームが内蔵されていて背面の液晶ディスプレイでゲームができるのがウリでもあった。

うーむ。なるほど。中国メーカー製は百歩譲って目をつぶるとしてもゲーム内蔵はいただけない。そもそもこの手のカメラに日本メーカー製はないものか。結論を先に言えばない。コンデジ全盛期であれば子供向けカメラのラインナップもあったかもしれないが、そもそもコンデジは今や歴史の一部である。

諦めきれずに探しているとひとつだけ日本企業の製品を見つけた。それがこのMiNiPiC(ミニピク)である。このカメラは株式会社レクリッドという新しい会社が作ったものであるらしい。世に出ているキッズカメラに満足ができず、大手企業が手を出さない分野ということで開発に乗り出して製品化したようである。ちなみに製造は中国製だがそんなことは問題ではない。

まずこのカメラにはゲームが内蔵していない。やはり多くの親はぼく同様ゲーム内蔵をよく思っていないのである。中国メーカーは付加価値としてゲームを入れているが、あえてそれを外すことで唯一無二のカメラになっている。もうこれしかないと思った。

カラバリは豊富で娘の希望で紫を選択した。娘はゲームがないことに不平を言ったがそうは問屋がおろさぬのだ。我が家はゲーム禁止である。

さて、ミニピクのホームページにはカメラのスペックが記載されていないので公開したいと思う。
メインカメラは500万画素。ただし圧縮率が非常に高いのでPCで等倍で見るとブロックノイズが甚だしい。これは基本的にカメラの小さな背面ディスプレイで見るためのものと思う。

ミニピク撮影画像(とても500万画素の写真とは思えない…)
ミニピク撮影画像(遠景だともはやなにがなんだか…)

動画は1920×1080ドットのフルHDだが、フレームレートがおそらく5フレ(5fps)程度なので表示はカクカク。フォーマットはAVIだからWindowsユーザーはそのまま再生できるが、Macユーザーは標準では再生できないので注意が必要だ。

インカメラもあって自撮りができる。こちらも実はメインカメラと同様500万画素ある。要するに前後に同じセンサーとレンズがついているのだ。ちなみにメインカメラのレンズのように見える部分はおそらくそれっぽく見せるためのただのカバーである。

写真も動画も非常に圧縮率が高いのはとにかく枚数を稼ぐためと思われる。メディアはマイクロSDカードの32GBが同梱されている。これで6万枚以上撮れるのだから凄まじい圧縮率だ。このあたりの考え方も一般的なカメラとは方向性が違うと言える。

シャッターボタンは押したときではなくて、指を離したときがリリースなのでちょっと慣れが必要である。

GR III

などなど。大人からすると不満だらけのカメラであるが、当の子ども本人は大喜びである。スペックがどうの、画質がどうのなどまったく気にしていない。それよりも自分専用のカメラをもった喜びが大きくて楽しくて仕方がないようだ。ファーストカメラとしては大正解である。

モニターの内側に埃や砂が入ってしまった。気密性は高くないが画面をつければみえないので問題なし!

売価は六千円弱。キッズカメラとしては高い部類に入るが、ゲームなし、完璧な日本語メニュー、大人用とは別の子ども用説明書など至れり尽くせり。娘は初日ですでに3回ほど落下させているが、そのあたりの耐久性も高そうである。

大人からすると、ついもっと良い画質、もっと良いカメラと考えてしまいがちになるが子どもが本当に望んでいるものはこうした単純なカメラなのであった。キッズカメラはミニピク一択ですぞ(関係者ではありません)。本当によいものを作ってくれたミニピクに感謝!

GR III

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ちいさな島
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