【詩】いち

綺麗な子がいた

振り返るともういない

綺麗な子はすぐいなくなる

数えてあげられなかった心臓の音

ごめんなさい

ごめんなさい

気付いてあげられなくて

息が止まるよ

ひとつ、ふたつ

感じるよ

みっつ、よっつ

つかまえて

早くしないと行ってしまう

いつつ、むっつ

いっぱいになる

ななつ、やっつ

もう数え切れない

あなたはどれ？

あなたは実はひゃくやっつ

本当の名前は

いちおくさんぜんさんびゃくまん

よんせんはっぴゃくごじゅうろく

「いち」はどこ？

「いち」はもういない

誰も覚えてない

遠くに行ってしまったから

仕方がないので最初の「いち」を探しに行く

綺麗な子がいた

人混みに紛れ見えなくなった

綺麗な子はすぐ過去になる

最初の「いち」で始まった

始まりは誰もが眩しいから

強く生きよと願った

・・・・・・・・・・・

お読みいただきありがとうございます。私の参加している詩誌凪の朗読会があります。ご興味のある方はぜひ聴きにいらしてください。私は録音で参加します。

#詩誌凪
明日1月23日(火)夜9時からは第4回『凪』の朗読会です。
私のツイキャスにて開催します。正月から地震・航空機事故、暗澹たる一年の始まりです。メンバーの裏路地ドクソさんはまだ避難所生活で参加できない状況です。
それだからこそ、明るい声を精一杯お届けしていきたいて考えておます。➡️ pic.twitter.com/CN872WCfEQ

— 白島　真（しろしましん） (@shindesuyo53) January 21, 2024