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最近すきだった本・短歌集5選
さいきん好きだなーと思った本と短歌集を並べていきます。
(共同運営マガジン「いりえで書く」の9月のお題です。ギリギリ滑り込めなかった…)
『ふしぎな図書館』村上春樹
だーいすきな村上春樹の中でもこの『ふしぎな図書館』は、かなり好きな部類だった。パッと読みの難易度はすごく易しいのに、何回も読みたくなるような深さがあって、シュールな印象を持たせるユーモアが大量で、絵がかわいくて。なんとなく「村上春樹が濃い本だな」と感じた。
好きだったセリフを引用します。
〈羊男さんには羊男さんの世界があるの。そして私には私の世界があるの。あなたにはあなたの世界がある。そうでしょう?〉
「そうだね」
〈だから羊男さんの世界に私が存在しないからといって、私そのものが存在しないってことにはならないはずよ〉
「つまりーーー」とぼくは言った。「そんないろんな世界が、みんなここでいっしょくたになっている。君の世界、ぼくの世界、羊男さんの世界。かさなりあっているところもるし、かさなりあっていないところもある。そういうことだね?」
『生きのびるための事務』坂口恭平
みんな大好き坂口恭平さんの、最近の本!
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この方は「一本の道」の話をしているのに、あまりにもスルスル喋るものだから「そうなのかな」となってきて、そして誰よりも「真理」を簡単に捉えていたりして、突き進むっていいなと思わされます。
私にとって坂口恭平さんは、事あるたびにチューニングするための、あるべき場所におさまるための道しるべのような存在。
この本は他の著書に比べてあくが強くないというか、良いところだけ詰まってる感じがするので、坂口恭平🔰初心者にめっっちゃおすすめです。
『「書く」って、どんなこと?』高橋源一郎
短歌集でも見ようかと思い本屋さんに入ったが、入口付近でこちらの本を見つけ立ち読みしていたらいつの間にか買っていた。
日常的に書くことをしていて、よく「なんで書くんだろう」とか「どうやって書くのがいいんだろう」なんて考えている。この本は、かなり納得感が強かった!!(そして今の自分が必要としていた言葉がたくさん書いてあったと思う。)
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「考えず」に「書く」こと、これが私に必要なことな気がする。
うまくいかないときには「考える」しかありません。そういうときに「書いた」ものは、おもしろくありません。
→まじでわかる。。。。
では、いったい、いつ「考える」のでしょう。
実は、「書く」ときに、です。あるいは、「書く」ことそのものが、です。
わたしは「考える」ことの大半は、「頭の中」ではなく、「紙の上」で、あるいは「ディスプレイの上」で行われるのだ、と思っています。
『肌に流れる透明な気持ち』伊藤紺
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福岡空港で飛行機待ちの時間に本屋さんをウロウロしていたら出会った短歌集。表紙に見覚えがあってパラパラ見ていたら、いくつかグッとくる短歌があって、即購入。
何回読んでも好きだなぁ。好きが増していきます。
ひさしぶりに会うたびきみは生きていて新鮮さに泣きそうになる
→このうたが好きすぎて、字面に泣きそうになるくらい心にきています。
きみに会うときのわたしが好きなのにあなたらしくとか言わないで
洗い流すように麦茶を飲んでいたころ両足で蹴りたかったひと
楽しんで暮らせば溜まる髪の毛の捨て方なんて習わなかった
どうしても
名前思い出せないけど
10分泣いた理科の先生
『心は胸のふくらみの中』菊竹胡乃美
直接的な表現が多くて、すごく好きでした。生きづらい生きづらいって、色んなものにすがりつきながら生きてるような人に、めっちゃハマると思います。(例に漏れず好きでした。)
いくつかメモった短歌があるので、5つご紹介します。
もう何も言わないことにしたサンドイッチのハムとして挟まってる
みんなつらいって言ったらそれで終わりじゃん私が急速冷凍する
自分のことスイートポテトと思うときもあるし汚水と思うときもあるし
やさしさが傘ならすべての雨粒が見えるビニール傘がいい
革命は席を立つこと悪口のおしゃべりの中おしっこに行こう
ほんとうは取り上げたい本がもっとたくさんあるような気もするけど、今回はとりあえずこのあたりで!