【短歌15個③】中指に細いリングをそっとつけ自分の品性託すみたいに
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中指に細いリングをそっとつけ
自分の品性託すみたいに
含まれた意味で自分がふちどられ
きみの目線を浴びる夜道
おぼろげな視界にいっぱいきみの顔
よくそんなにも穏やかな笑み
説得はできそうにない「あたたかそう」と
思ったときにはもう好きだった
食べ残し「もらっちゃうね」と食べるとこ
ずっと見てたいなんか良いよね
ぼくの「好き」、あなたの「好き」でかき消され
ちょっとインフレ起こさないでよ
勝負事けっこう本気になるタイプ
「ルイスキャロル」と「ルール」のメモで
「なるほどね、どっちもあるね」じゃねえんだよ
てめえを聞かせろ中庸は逃げ
キスしてもギリ許すけど燃料にすな
こっち見んなよクソカップルが
手に入れて数日使い気が付いた
安い素材の軽いオブジェ
「誤配達」 書き込みポストを探すぼく
任意の善意「わたしはいい子」
この夜を全部そのまま覚えていたい
気温と風に声刻み込む
冗談と無意味な嘘が連鎖して
彼らの前では肉食べられず
3人のグループLINE動かして
連絡できないんじゃなかったの
字足らずの小気味よいこと
三連符みたい押さえて跳ねて飛ぶ
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