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子供の体格差で悩んでいる本質は不安症の母親のルッキズムのせいだった

今回は子供に関して大きな壁にぶち当たったと悩んでいたら、その悩みの根源は自分にあることに気づいたという話です。
40年以上生きてきて気づかなかった自分の内面に気づき、自分が変わったと感じる大きな出来事だったので記しておきます。

息子の体質

小さく生まれた息子は、幼稚園時代も小学校入学後も成長曲線の下の方に沿って小さいながらも順調に成長していきました。体は丈夫で元気で、いつかは大きくなるだろうと成長を期待しながら見守っていました。
しかし、小学校の高学年で息子のある体質がわかり、成長が通常よりも早くに止まると診断されたのです。

そこから、母親である私は苦悩の日々が始まりました。
進学先でいじめられたらどうしよう。
友達と比較して引け目を感じたらどうしよう。
同じく小柄である私の遺伝子のせいだと、息子が私を恨んだらどうしよう。
そんな「どうしよう」が次々と湧き、息子のことを正面から見るのが辛くなった時期もありました。

私に蔓延っていたもの

そんな中、ある友人が声をかけてくれ、話を聞いてくれました。
「心配していることのほとんどは、事実ではなくて想像に過ぎない。本当に怒っていることはなに?」
彼女のこの言葉に、体を揺さぶり起こされるような感覚になりました。

そして、私自身の価値観についても指摘を受けました。
彼女は、私が見た目で人を判断しているからこそ、息子の体格に過剰に反応しているのではないかと気づいてくれていたようです。たとえば、「彼氏ができた」と聞けば私は「彼は身長何センチ?」と尋ね、買い物中も商品の機能よりも見た目やブランドを重視していたことを指摘されました。私が無意識に持っていたのは、まさにルッキズムに基づく偏見の目でした。悩みの負のループにはまっていた私に、彼女の指摘は大きな転機となりました。

事実と想像する未来を切り分ける

まずは事実を整理してみました。
事実はただ一つ、息子が小柄であるということ。それだけなのです。
それ以外は、私が勝手に想像した架空の未来に過ぎません。今現在、何一つ息子に問題は起きていないのです。

大切なのは、今を生きること。
未来は誰にもわかりません。
未来をいくら予測しても、その道を歩むかどうかはわかりません。
楽しい未来を想像してワクワクするのならいいのでしょうが、悪い未来を想像しても何も得るものはありません。
今を大切に生きることが、最も重要なのだと感じています。もし未来に困難が訪れた時、その時に最善を尽くせば良いのだと気づきました。

ルッキズムの自覚

実は、私は体格の良い男性が好みです。この好みこそが、息子に対する偏った見方の始まりだったことに気づきました。息子が小柄で、もうあまり身長が伸びないと診断された時、無意識に「私好みの男性像に息子はならない」と思い込んでしまったのでしょう。さらに、息子が恋愛できるのだろうか、と余計な心配をしてしまいました。私は世の中の「小柄でも幸せそうな人」を探して安心しようとしましたが、その思考自体が誤っていることに気づきました。息子の未来を悲観していたことを深く反省しています。

価値観は多種多様

その後、ルッキズムに関する本を読み、外見に基づく偏見や差別、自己肯定感について学びました。私が息子の体格に過剰に敏感だった理由は、私自身の偏った価値観にあったのだと理解できるようになりました。

価値観を変える必要はないかもしれませんが、自分と他人の価値観は違うことを認識することが大切です。「小柄=見た目が悪い」という価値観が、私の根底にあったことに気づき、息子の未来を悲観してしまったことに対して、今は恥ずかしさを感じています。見た目ではなく、内面を大切にすることの重要性を、ようやく理解しました。それを理解していなかったために、無駄に心配が増えてしまったのだと気づきました。

終わりに

ルッキズムに対する自覚が進むにつれ、息子に対する不安も少しずつ解消されていきました。
ある婚活中の友人の話を聞いて、改めて自分の価値観の偏りに気づきました。彼女が付き合いを悩んでいる男性が背が高くて大柄なことが気になると言うのです。私からすれば、頼りがいがありそうで好ましいと思ったのですが、彼女にとっては逆に、見下ろされることに居心地の悪さを感じているとのことでした。
私は自分のルッキズムがまた発動していることに落ち込んだ半面、このように、人それぞれの価値観に触れる機会は自分の思考の偏りを緩和させてくれるのかもしれないと、小さな気づきを得ました。

これからも息子を見守り、もし悩む時が来たなら寄り添っていきたいと思います。思春期は他者との違いに悩む時期です。見た目も気になるかもしれませんが、それだけが全てではないことを伝えたいと思います。40年間無意識に偏った見方をしてきた私には容易なことではありませんが。
息子には、自分を愛し周り人も愛せる人になってほしいと、心から願っています。

息子の体質についても、いつか書きたいと思える日が来たら書こうと思います。

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