Münchner Philharmoniker 音楽ニュース:ミュンヘン・フィルの首席指揮者にラハフ・シャニが決定、契約調印式(2月1日)
ミュンヘン・フィル前首席指揮者ゲルギエフはロシアのウクライナ侵攻の影響で昨年、事実上解任されました。
→以下の投稿をご覧ください。
ゲルギエフの後任探しが続いていましたが、2月1日、公式発表と契約調印式がミュンヘン市庁舎内のギャラリー(展示場)で行われました。
これは1月後半から続く雪と曇天の中のミュンヘン市庁舎です。
入り口部分。
右側には『ラーツ・ケラー』(市庁舎のレストラン)の文字が見えます。
ドイツの市庁舎にはたいていレストランが備わっていて、その街でどのレストランに行っていいかわからない場合は、「ラーツ・ケラーに行くと間違いない」と言われたものです。今はSNSで簡単に情報を入手することができますが。
ギャラリー。
ミュンヘン市の模型も展示されています。
左中央の噴水鉢の下には現代アートが。
最初は開く前の絨毯が置かれており、作業中かと思いました。
でも、犯罪ドラマに出てくるワンシーンみたい。つまり死体が包まれたような・・・犯罪ドラマの見過ぎ?
さて、ミュンヘン・フィルの新首席指揮者に選ばれたのはラハフ・シャニ。
ちなみに、関係者の間では既に名前が出ていたのですが、契約の正式調印が済むまでは決定事項として報道しません。
私も以下の投稿で『取り沙汰』という形で取り上げました。
シャニは34歳。20代から次代の音楽界を担う指揮者として注目を集めていました。
ではどのような経緯でシャニに決定したかというと、まず昨年3月のコンサートが大きなきっかけだったそうです。
以下をどうぞ。
ミュンヘン・フィルはその後、9月にシャニを招聘し、そのコンサートが決定的だったそうです。
ただ、シャニは現在、イスラエル・フィルとロッテルダム・フィルのポストを持っており、その調整が必要でした。
結果、シャニのミュンヘン・フィル首席指揮者正式就任は26/27シーズンから。まず5年間の契約です。もちろんそれまでミュンヘン・フィルとの共同作業の準備をします。
ロッテルダム・フィルは26年夏で契約終了、イスラエル・フィルとの契約は継続します。
シャニはオーケストラ・メンバーからの強い希望を受け、ミュンヘン市の選定委員全員一致で決定しました。
しかし、これはミュンヘン・フィルとしては結構大胆な決断だったと思います。
というのも、ミュンヘン・フィルはこれまで、ゲルギエフ、マゼール、ティーレマン、レヴァイン、チェリビダケと、有名なスター指揮者をシェフに選んできたからです。
シャニは優秀で、関係者の間での評価は高いとはいえ、まだ若いし、そこまで世界的に有名とは言えないでしょう。
契約調印時のオーケストラ代表アレクサンドラ・グルーバーは、「まず、シャニは私たち音楽家とも聴衆とも目線の高さが同じこと。アイディアを一緒に実現しようとする指揮者であること。そしてピアノとコントラバスの奏者でもあり、今後、室内楽などオーケストラ以外でも一緒に共演できること」と言っていました。
シャニは「オーケストラはモダンで、好奇心に満ちている。そしてその響きは素晴らしい」というコメントを出しました。
オーケストラ・インテンダントのパウル・ミュラーは「世代交代の時期であり、シャニとは今後新しい歴史の一頁を刻むことができると確信している」と満面笑みを湛えていました。
契約調印時のミュンヘン市長ライターとシャニ。
人物の写真は全て©️Sebastian Wiemann
建物の写真は全て©️Kishi
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