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コンサートの記録:br響(バイエルン放送響)、第2回定期コンサート(11月3日、ミュンヘン、イザールフィルハルモニー)


11月3日、ミュンヘンのイザールフィルハルモニーでbr響(バイエルン放送響)第2回定期コンサートを聴きました。

10月30日から冬時間になり、19時過ぎは真っ暗です。

もともとズービン・メータ指揮の予定だったのですが、直前になって疲労を理由にキャンセル、代わってジェームズ・ガッフィガンが飛び込みました。
ただし、プログラムはそのまま、変更なしでした。

br響は11月11日、バレンボイム80歳を記念して、バレンボイム指揮のコンサートを予定していましたが、バレンボイムが病気キャンセル。
メータが代わりを務める予定でしたが、メータもキャンセル。
結局、ダニエル・ハーディングが代役を務めます。

この後、同響はスペイン・ツアーに出る予定ですが、このツアーはイヴァン・フィッシャーが指揮する予定です。

同響の今シーズン最初の定期演奏会はキリル・ペトレンコ指揮の予定でしたが、ペトレンコが病気で降板したのは先日ここでも記しました。


シーズン最初から波乱続きです。
しかし、オーケストラもオペラ劇場もこういうことはよくあります。
特にオペラの場合は歌手の交代は日常茶飯事、ここでもそんな例をたくさん書いてきました。

それにコロナ。まだまだ油断はできないのです。

オーケストラのマネージャーやオペラ劇場の上層部のストレスは大変です。
しかし、それくらいでオタオタしていてははじまりません。
予定外の出来事に素早く反応し、対策をとれる能力を持っている人でなければマネージングはできません。


プログラム。表紙にはまだ「Mehta」の文字があります。
「重要なご案内」としてジェームズ・ガッフィガンの経歴を記した紙が挟まれていました。
ガッフィガンは23/24シーズンからベルリン・コーミッシェ・オーパーの音楽総監督(Generalmusikdirektor、GMD)に就任します。


こちらも同様、メータの指揮となっています。

ラフマニノフの《ピアノ協奏曲第3番》を弾き終えたソンジン・チョ。
耳の肥えたミュンヘンの聴衆も大きな拍手を贈りました。

チョは数々のコンクールでも優勝するなど素晴らしい成績をおさめていますが、2015年のショパン・コンクールで優勝したのは記憶に新しい。初めての韓国出身者でした。

しかしコンクールに対するドイツと日本の温度差はかなりあります。
特に日本ではショパン・コンクールの人気が高いようですが、ドイツではミュンヘンのARD国際コンクールとブリュッセルのエリザベート国際コンクールの評価は高い。

チョが注目を浴びたのは、2018年、同響の当時シェフだったマリス・ヤンソンスのコンサートで、ラン・ランの代役で飛び込んだ時です。
また、ベルリン・フィルでもラン・ランがキャンセルし、サイモン・ラトル指揮で代役をつとめました。

これがキャリアの始まりとして重要なきっかけになりました。
1996年ソウル生まれ、まだ26歳です。
期待のピアニストです。


後半のR.シュトラウス《ツァラトゥストラはかく語りき》が終わり満場の拍手で讃えられます。

FOTO:©️Kishi


以下、br響から提供を受けた写真です。
©️Astrid Ackermann

音楽ももちろんですが、チョのツヤツヤ・サラサラ髪がとても印象的でした。

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