(音楽)ニュース:2月24日、ロシアのウクライナ侵攻に対するクラシック音楽界の反応①(ミュンヘン・フィル、ドイツ劇場協会、フランクフルト・オペラ)
2月24日の朝、目が覚めたら悪夢のようなニュースが・・・
ロシアがウクライナに侵攻しました。
夥しい情報と映像が続いていますが、ここではクラシック音楽界の反応と行動について、一部、情報を記します。
2月25日12時34分、ミュンヘン・フィルからのプレス・リリースです。
ミュンヘン市長ディーター・ライターが、ミュンヘン・フィルの首席指揮者ヴァレリー・ゲルギエフに対し要求を突きつけました。
これはオーケストラ団員の代表と共同としています。
要約しますと、
「ロシアのウクライナ侵攻は信じがたい野蛮行為だ。ゲルギエフ氏自身が、ミュンヘン市長、メディア、ミュンヘン・フィルの団員、聴衆に対し『このロシアの侵攻に対し距離を置く』と2月28日までに明確にしないと、ミュンヘン・フィルの首席指揮者としての契約を終了しなくてはならない」というものです。
ゲルギエフがプーチンの大きな支援を得ていることはよく知られています。
他にプーチンの支援を受けている有名音楽家としては歌手のアンナ・ネトレプコ、ピアノのデニス・マツーエフの名前があがっています。
(ちなみに2020年11月、コロナ禍の最中にウィーン・フィルが例外的に日本公演を行いました。しかもウィーンがテロに遭った翌日にウィーンを出発しました。その時の指揮者はゲルギエフ、ピアノはマツーエフだったので、日本でもお聴きになった方も多いと思います。)
さて、キエフはミュンヘンの姉妹都市です。
1928年からミュンヘン市が経営するミュンヘン・フィルは世界的に有名、優秀なオーケストラです。
これまでの首席指揮者には、ケンぺ、チェリビダケ、ティーレマン、マゼールなどが名を連ねています。
ゲルギエフは2015年以来、ミュンヘン・フィルの首席指揮者を務めています。
ただ、これまで、ミュンヘン・フィルの首席指揮者選びには首をかしげることもありました。
ゲルギエフとプーチンの関係はよく知られていましたし、その前1999年から2004年首席を務めたジェームズ・レヴァインの小児性愛問題も、首席選出時にはすでによく知られていました。
これまでの経緯に鑑みて、もしゲルギエフが去る場合、後任には誰が選ばれるでしょう。
個人的には
・オクサーナ・リュニフ(ウクライナ出身、43歳)。彼女は昨年、バイロイトに登場した初の女性指揮者、すでにミュンヘン・フィルを指揮しています。
・ミルガ・グラジニーテ=ティーラ(リトアニア出身、35歳)。彼女は2016年からバーミンガム市響首席指揮者を務めていますが23年で辞めます。
が良いのではと思っています。
ただ、彼女たちはすでに有名な指揮者ですが、もっと世界的スターが欲しいかもしれません。
さて、ロシアのウクライナ侵攻に反対して、2月24日午後にはドイツ劇場協会が会長カルステン・ブロスダ名でロシアに対する抗議と我々に連帯を訴える声明を発表しました。
また、劇場の中にウクライナ出身者を複数抱えるフランクフルト・オペラは、25日10時に連帯を訴える声明を出しています。