初めてシカを獲った日
(写真モザイクかけてますが、血が苦手な方などは注意してください。)
ちひろうです。
昨日、通算9回目の狩猟に行ってきました。
すでにカモの猟期は1月末で終わっているので、今回はシカ猟です。前回の狩猟でシカの痕跡を多く見つけた胆振方面に師匠と向かいます。
午前4時出発。外は氷点下16.6度です。しばれる~
いつも車で爆睡してしまうので、睡眠しっかり、ガムもばっちり準備しました。それでもいつの間にか寝てしまいますが…
日の出は午前6時15分。さあ、行くぞ!と思ったら、最有力だったエリアは伐採作業中につき発砲禁止でした。残念。
次に行ったエリアも、雪が多くて車が入らず断念。来た道をUターンして戻っていたところ、反対から向かってくるランクル。…同業者だ!
車を降りると、ランクルから男性が2人降りてきました。お話をしていると、この道を曲がったあたりにメスジカが5頭ほどいたとの情報をいただけました。
ルンルンで早速向かってみると、シカの足跡がすごいすごい。縦横無尽に新旧の足跡がついています。
近くには北海道屈指の名川が流れており、どうやら水飲みのために川へ降りているようです。これはしばらく待っていたらシカが現れるのではないか…!ということで、ここで待ち伏せをすることにしました。
しっかし待てど待てどシカは出てきません。こんなに足跡があるのに…。いつの間にか正午も過ぎていて、シカもそろそろ昼休憩に来たいんじゃないの…?と思っていると…
突如、メスジカが2頭、斜面の上から目の前に出てきました。距離は30mほど。近い…! お互いにびっくりしてフリーズしていましたが、わたしは我に返りチャンスと弾を銃にこめます。お願いだから逃げないで…。
思いが届いたのか、動かずにいたほうが人間に気づかれないと思ったのか、シカはまだフリーズしてその場にとどまっていました。
2頭のうち手前にいる1頭に標的を定め、スコープを覗きます。このときをずっと脳内シミュレートしていました。師匠から言われていたのは、初めから首を狙わなくてもいいから、どこかに命中させようとすることと、いつも銃口が上を向いてしまっているので、狙うときは若干下向きにするとよいこと。
スコープの十字をシカの足あたりに合わせ、引き金を引きました。
すぐにスコープから目を離し、狙ったシカを確認します。シカは、足の付け根に弾が入っていて、その場で固まっていたかと思うと、立っていた急斜面からごろごろと転がり落ちてきました。
仕留めたのか…? 逃げるつもりか…?
分からずにいるとすかさず、「まだ生きているから、止め刺せ!」と師匠から声がかかりました。わたしは転がり落ちてじっとしているシカに近づいて弾を込め、首を狙ってもう1発撃ちました。スコープから目を離すと、シカはもう動かなくなっていました。弾は頭に入っていました。止め刺しに成功したようです。
最初の1発を撃ったとき、わたしには獲るか逃すかしかなかったので、命中させることにただ集中していました。止め刺しのときも、急所を外さずに止めを刺すことに集中していました。
その後の解体作業も初めての経験で、シカの足を押さえて解体しやすくしたり、残さを処理したりなど、次から次にやることが出てきて、かわいそうとか、命を奪ったとか、そういう気持ちにはなる隙はありませんでした。今、記事を書いていて、ようやく胸が痛んできました。命を奪ってしまった。若いメスのシカでした。
皮を剥いで、肉を切り分けていきます。切り分けると、まだ温かくて、寒い外の中の作業だったので、白い湯気が出ていました。頂いた命なので、捨てるところは極力少なくして、きれいにきれいにいただこうという気持ちで作業を手伝いました。師匠は大きいシカならもっともっと骨も肉も大きいと言っていましたが、後ろ足、前足、ロース、あばらと切り分けられていくお肉を見ていると、こんなに食べるところがあるんだというくらい、獲ったシカは大きく感じました。
今シーズンは狩猟報告書は書けないなあ、と思っていましたが、報告する内容ができました。
獲ったシカのお肉は明日いただきます。
本当は頭蓋骨を部屋に飾りたかったのですが、弾が当たってばらばらになってしまったので、捨てるはずだった後ろ脚の骨を記念に1本持って帰ってきました。
いつまでも今日の出来事と撃ったシカのことを忘れないように、きれいにして持っていようと思います。
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