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満月珈琲店の星詠み、海外版の製本について

こんにちはー!桜田です。
今回は海外で販売されている満月珈琲店の星詠みをご紹介したいと思います。

ありがたいことに満月珈琲店の本は国内のみならず海外でも翻訳版が出版されています。絵本やイラスト集、レシピ帖も海外版が発売されているのですが、中でもすごいのが望月先生がお話を書いてくださっている満月珈琲店の星詠みシリーズです。

最初はタイや韓国、中国などアジア圏を中心にオファーをいただいていたのですが最近ではイギリスやイタリア、ドイツなどのヨーロッパ圏やアメリカでも翻訳のオファーがありまして、実際に発売されています。編集さんに確認したところ2024年10月現在、23カ国で翻訳が進んでいるとのことです。いやもうほんと、望月先生には頭が上がりません。

探してみたところ現在僕の手元には日本語版を含めて11種類ありました。どの本がどこの国で販売されているかわかりますか?正解はこちら。

これ全部中身は満月珈琲店の星詠みなのが驚きですよね。同じ物語をくるむのに国や地域で差が出るのは面白いです。今回はそんな世界各国の満月珈琲店の星詠みを紹介していこうと思います。本当は全部紹介したいのですが、長くなるので今回は僕が特に皆様にお伝えしたい項目に絞ってご紹介しますね。


1.赤いカバーの満月珈琲店

左上からイタリア、ポルトガル、イギリス
アメリカ、ハンガリーです

まずご紹介したいのが赤いカバーの星詠みです。主にヨーロッパ圏で発売されているものになります。表紙が僕の絵ではないというのは事前に相談があったのでそこは了承していたのですが、赤色を基調としたデザインを持ってきたのはちょっとびっくりしましたね。しかしこれはこれでかっこいいなと思うわけです。喉の部分の和綴じのようなデザインも素敵だなと。個人的には一目見て“和”を感じるデザインだなと思いました。日本で出版されている本というのが一目でわかるというデザインにしたかったのではないかな?というのが個人的な感想です。

ちなみに写真では分かりにくいのですが同じように見えてハードカバーだったりペーパーバックだったり、用紙も違ったり箔押しされていたりと造本が違うんですよね。その辺りも製本マニアとしては興味深いです。

ちなみにヨーロッパで発売されている中でもドイツ版は僕のイラストだったりとその辺は版元さんによって判断が分かれるようです。

イタリア語版は月と星のところにうっすら箔押しのような加工が見られます
ハンガリー語版は口絵のページをカッコよくデザインしていただいています
イギリス版は遊び紙がかわいいです
アメリカ版とイギリス版はカバーを外すとこんな感じになります。
お洒落な洋書の雰囲気が漂います。

2.あまりに美しすぎるポーランド版

赤い満月珈琲店以外にも僕のイラストではない本があります。それがポーランド版です。

イラスト初めて見たときあまりの美しさに見惚れましたよ。ワゴンの中にいる白い猫はマスターなんでしょうか。耳をすませばに出てくるバロンを彷彿とさせるカッコよさです。月がうっすら雲に隠れているのは満月珈琲店のロゴを意識してくださったのかなと勝手に思っています。自分では逆立ちしても描けない絵なのですごい嬉しかったです。本文にも星猫のひとり(一匹?)、サートゥルヌスを大きく使っていただいたり、ノンブルが猫になってたりと猫愛が伝わってくる造本だなと思いました!

こちらは妻がキャラデザしてくれたのを使ってくれてます。
こんなに大きく星猫を載せてくださっているのも珍しいです
ノンブルが猫になってるのが可愛い
こういう細かいところ凝ってくださるのは嬉しいです。

ちなみに先日、現地で2巻の刊行されたとのことです。装画も見せてもらったのですが、めちゃロマンチックすぎて痺れます。

素敵な表紙だと思います。いやぁ、これは揃えたくなるよ。

3.タイ語版についてくるおまけ

造本の話ではないのですがタイ語版のおまけが可愛いので見てください。初回限定の特典のような感じでついてくるそうです。

こちら星猫の栞です。よくある長方形ではなくキャラクターに沿ってダイカット加工してあるのがいいですね。文字の入れ方もかっこいいなと思います。自分で買い取って日本で販売したいぐらいです。

こちらはワゴンのポップスタンド的な特典
こんな感じで立てて飾れます
ガチャガチャとの相性もいいんじゃないでしょうか?
これも買い取って日本で販売したいな
風景の絵を使ったオーソドックスな長方形の栞も封入されています

そもそもタイ語版は表紙のデザインからして美しいんですよね。イラストを変えたら雰囲気もガラッと変わるのは分かるとして日本版と同じイラスト使ってこんな表現も出来るんだなと驚いたのを覚えています。

文字のフォントや色も絵に馴染んでいるのがポイント高いです。日本の商業書籍だと帯が付く関係でワゴンを位置をここまで下げれないので新鮮でした。細かいところでいうと1巻と2巻で背景の色が微妙に違うんですよ。絵に合わせて変えてもらってると思うのですが、細部まで気を使っていただけて嬉しいです。

彩度を高くするとわかりやすいです。背景の色、左が黒くて右は紺色になってます。

この他、韓国ではマグネットをつけてくださったり、絵本が発売されたときはコースターがついてきたところもありました。主にアジア圏でおまけをつけてくれる印象があるのでそういう文化があるのかもしれません。現在進行中の翻訳版にもおまけの話があるのでまた手元にきたら紹介します!

韓国語版についてくるマグネット

翻訳版の書籍ってただ単に文字が変わるだけではなく、本の判型や使われている用紙、デザイン、製本方法なども発売される国によって異なることがすごく興味深いなと思いました。僕は本を読むことはもちろん好きなのですが、本を眺めるのも好きなので満月珈琲店で世界各国の製本事情が知れて役得だなと思いました。世界各国の素敵なデザイナーさんに満月珈琲店を手掛けていただくことができて感謝です!

ちなみに表4(裏表紙)のデザインにも結構特色があります。

ちなみに海外版については以前にも一度まとめています。最初の方に翻訳していただいたタイ版、韓国語版、中国語版についてはこちらで詳しく紹介しています。星詠みの他にイラスト集や絵本、レシピ帖の海外版も紹介していますのでよかったらどうぞー!


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