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20年の思い③ この春を忘れないだろう

明日から、公共図書館で司書として勤務する。

中旬で前職の出勤を終え、十日分残っていた有給休暇をすることで過ぎていった今月。
数日間帰省したり、自宅の片づけをしたりしながら、退屈だわーとか、働かなくていいって楽しいわーとか、好き勝手なことを言いながらのんびりしていたのに。
四月が近づいてくるうちに余裕はなくなっていった。
数日前からちょっとそわそわしはじめ、今日はもう、そわそわしすぎて自分が怖い。

落ち着かない気持ちで、出勤ルートを確認の旅へ出る。
明日だけはスーツで来てと言われているので、スーツを着て、明日持つ予定の荷物をもつ。
このかっこうで自転車に乗って、現地まで行けるかが気になった。
一月の採用試験のときも自転車で行ったんだから、絶対大丈夫なんだけど。

これから通勤路となるのは河川敷。自動車を気にしなくていいのが気持ちよい。桜が咲き始めていて、ベンチはほとんど、花見している人で埋まってた。

なんの問題もなく到着、図書館を外から眺め、即、帰路。ただの運動。でも、スッとした。

午後、夕飯のロールキャベツを仕込む。
春キャベツって密度がそんなでもなくてはがしやすいので、いつもよりたくさんロールキャベツ用の葉が用意できた。8個分とれた。2個は保存容器に入れて、残りは私と夫のマイ土鍋へ

ひとり3個は多いんじゃなかろうか…。


その後、明日から使用するつもりで買ってきた新しいノートを手にひと休み

エアロペクスの赤って可愛いのです。

この春のこと、私は絶対に忘れないだろうと思う。
司書資格を取ったあの夏の出来事を今でも大事に思っているように。

20年前に取得して、その後いかせる機会がなくて地元で違う仕事に就き、長く勤務した。それはとても素晴らしい時間で、現在の自分の血肉となる経験をたくさんできた場所。何より、業務がとても楽しく、いい仲間にも恵まれ、楽しい会社員生活を送ることができた。

このまま、その会社で定年まで働くつもりだった私だったが、縁あって夫となる人とめぐり合い、その人の地元である隣県へ引っ越した。
実家が自営業の人だったから、事務員としてそこに入社。舅姑も含めての家族経営での仕事は、言葉に言い表せないくらい、苦しい日々だった。
六年半のち、舅姑から決定的なパワハラを受け退職。

二年前の自分に教えてあげたい。

信じないかもしれないけど、いろいろありまして、二年後に司書やることになるよ、って。
そんなのうっそやろ、って今はパワハラに限界まで傷ついてるから暗い目をして言い捨ててぷいって横を向くだけだろうけど。

これから新しい職場が見つかって、そこで楽しい人たちと出会って、外で働くって素晴らしい、と少しずつ自分らしさを取り戻せる。
そこで日々を過ごすうちに、人生を前向きにとらえる意欲も戻ってくる。
そのうち、図書館司書の求人募集を見つける。
応募せずにいられなくて挑戦する、なんと採用試験に合格する。

あのパワハラ劇を、あなたは司書になるという結末にもっていったんだよ、って。
そんなことが、これからあるよ、って。

だから、そんなに思い詰めなくて大丈夫だよ、って。
そして、本当によかったね、と。全ての自分に言いたい。







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