グレイテスト・ショーマン
The Greatest Showman(アメリカ/2017)
監督 マイケル・グレイシー
実在の人物、P・T・バーナムの人生が、華麗な演出と名曲できらびやかなミュージカルに!!
バーナムもさぞやびっくりしたことでしょう。
配給会社表示直後、突然、映画はスタートします。
昔の映画の定番のオープニングスタッフロールがあると、配信やDVDで鑑賞する観客が多い今の時代、やはり「スキップ」されてしまうからでしょうね。
人の一生を支配するのは、生まれ落ちた環境、生まれ育った時代、国、だといわれています。
幼いバーナムは社会の底辺に生まれ落ち、物心ついた頃にはすでに富裕層から踏みつけにされる生活でした。
彼にとって世界は重い灰色。
踏みにじられた心は、巻き返し、見返してやりたいと燃え立ちますが、それもしかたのないことでしょう。
生きよう、輝こう
君を明るく燃え立たせよう
想像の世界は夢の世界
そこでは何にでもなれる
想像力は創造力
持ち前の空想力、想像力でバーナムは「サーカス」を見事に成功させます。
生まれて初めて浴びる喝采。称賛。
そして大金。
成功したからこそ忍び寄る、光の生み出す闇、人生のボトム。
いくら事業が成功しても、大金を得ても、どこまでもつきまとう富裕層からの蔑みと差別と嘲笑。
いつのまにか、そんな他人の視線に、バーナムは支配されていきます。
やはり実在したジェニー・リンドをベースにした歌手をからめていく技法も見事です。
いくら美貌と才能と名声に恵まれても、心に暗く巣食う穴はふさがらない――。
満たされない彼女の姿が、物語のテーマを浮き彫りにしていきます。
本当の人生の目的は何だったのか。
真実の願いは何だったのか。
誰のために抱いた夢だったのか。
本当に手に入れたかったものは?
帰りたかった場所は?
人生のボトムにあってこそ、答えが見つかるもの。
象に乗って登場するパパって最高!!
この象のジャンボも実在したというのですから、すごいよすごすぎるよP・T・バーナム(笑)
感極まって涙。
名曲だけが持つ強力なパワー。
出演者も、観客も幸せ。
これぞ名曲。これぞエンターテイメント!!
次々に繰り出される名曲のオンパレード。
ミュージカルが苦手な方も、この作品ならいけるかもしれません。
あっという間の、幸福な幸福な105分でした。