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科学的な根拠に基づいたダンクシュートまでの実践 Vol.3 柔軟性の大切さ


はじめに


いらっしゃいませ。
今回はVol.3。
柔軟性の大切さを書いていく。

前回の投稿もあわせて読んでいただきたい。
ダンクシュートに必須である考え方を、より体系的にご理解いただけるだろう。



さて、この記事はダンクシュートするための跳躍力というより、それを含むプレイ全般にかかわる内容となっている。

「おれはもっとやれるはずなのに…」と思い悩んでいる方がいたならば、この記事が現状を打開するきっかけになるかもしれない。

この記事を読んだあなたが、柔軟性の獲得により身体能力が向上し、スポーツで望む成果を上げられることを願う。

また、柔軟性はふだん運動をしていない人とっても非常に大切である。

現代人はあまりにも身体が硬すぎる
生活の質・仕事のパフォーマンスは、体の機能によって大きく変わるのだ。

ジャンプ力を養いたいわけではない人も、身体の柔らかさによって生活の質を上げる意義は十分にある。
ぜひご一読いただければ幸いである。

柔軟性の大切さ


これは自分にも常に言い聞かせているところだ。

日々バスケットボールの練習に励む人たちに、「練習と同じくらい熱心に柔軟運動をやっていますか?」と問いかけたら、はい と答えが返ってくる割合はどれほどだろう。

私の現役時代はというと、恥ずかしながらあまりやっていなかった。
幸いもともとある程度の柔軟性を備えていたこともあって、故障はなかったのだが…
振り返って考えると、それは競技に臨む姿勢としてはあまりよくなかったと反省している。

バスケに限らずだが、スポーツをプレイしている人で「うまくなりたい」と考えていない人はいない。異論はないだろう。

ではこの「うまい」は何のことなのだろう。

スキルのことだろうか。
もちろんそうだろう。
ドリブルを中心とするボールハンドリング、適切なポジション取り、さまざまな状況と場所からのシュート決定力。
何が欠けても弱点になるのだから、これはうまければうまいだけいい。

あるいは競技に対する理解だろうか。
これも当然必要だろう。
バスケットIQということばがある。私の現役時代にはなかったと記憶している。
具体的には、「競技のルールやセオリーを十分に理解し、最適解を導いたり得点の可能性が高くなるようなゲームメイクなどを考える力」のようなものだろう。
非常に大切である。

そして。
ここに「自分の身体能力を十分に発揮すること」も間違いなく含まれるのだ。
つまり、身体の使い方がうまい ということだ。

例をあげてみよう。
ファンブルしたボールがラインを割る前に捕まえようと走り出したところを想像してほしい。
そのとき転がるようにボールが進んでいたら、拾い上げるときにはかなり低い姿勢になるだろう。

ここだ。ここに柔軟性が大きく深く関わってくる。

股関節の柔軟性があれば、ボールに近づく一歩を大股で取ることができるかもしれない。
足首の柔軟性と合わされば走ったまま拾い上げる確率も上がる。
腿の裏(裏ハム)の柔軟性があれば、そのまま流れるようにプレイを続行することも可能だろう。あるいは急激なトランジションでディフェンスの虚を突くこともできる。

タフなプレイになればなるほど柔軟性の高さの重要さが際立つ
抽象的な言い方になるが、プレイに粘りを出すことが身体面から期待できるのだ。
この恩恵は非常に大きい。

パフォーマンスを常に向上させていくためにも、ポテンシャルを十分に発揮するためにも、あと一踏ん張りを効かせるためにも柔軟性は不可欠だということだ。

取り組んでいる競技の質をあげるために生活をデザインすることが大切である以上、絶対にやらなくてはならないことなのだ。

やったほうがいいではない。絶対にやらなくてはならないのだ。

大事なことなのでもう一度言いたいくらいだ。

そして、それはもちろん高い跳躍力を獲得することにも大きく影響する。

なぜ柔軟性が必要なのかを考える


現実的な状況のイメージを大切にしてほしい。
固い場合に起きうることはなにか。柔軟性によってそれは解消できるのか。

ここでは、柔軟性が低い場合に想定できるデメリットを科学的に挙げていこう。


単純に故障の確率が高まる

固い。壊れやすい。
ガラス玉を落下させれば砕け散るだろう。
だがバスケットボールを空高く投げたとしても、床にぶつかって破裂する心配はしないだろう。

ちなみにボールも劣化していたらパンクする。これは内部のゴムが劣化によって硬化(ゴムの性質を損なって硬くなってしまう)ことが原因だ。

筋肉だろうがゴムだろうが、固い=壊れやすいだ。

ボールなら新品に買い換えるだろうが、身体はそうはいかない。
故障した箇所が治るまでプレイはお預けだ。

休養はトレーニングのうちだが、故障の療養はトレーニングではない。
そうならないように必要な柔軟運動をただちに取り入れる必要がある。


パフォーマンスが低下する


これも先に少し書いたが、はっきり言って死活問題だ。 

もしかするとチームメイトの中には、身体は固いけどプレイが上手い 選手もいるかもしれない。
だがそれは、その選手の身体だから通用しているだけかもしれない。
あるいは柔軟運動は苦手だが、筋肉自体はとてもしなやかで柔らかいのかもしれない。体質や身体の使い方のうまさも関連している。

だが、何度も言うように柔軟性は他人と比べるものではない。
常に内側に目を向けよう。
他人の柔軟性はあなたにはなんの関係もないことだ。

だが、あなた自身の柔軟性はプレイの質を高める土台となるものなのだ。
強い言葉で言い切ろう。柔軟性はあなたのプレイを100%向上させる。

固い部分を補うように身体を使ってしまう


これは意外と考えない視点かもしれないのだが、解剖学の領域では基本である。

股関節が固い。
すなわちすべての動きの起点となる腰回りの可動が鈍いことになる。
本来動かせるはずのところまで動かなくなってしまうから。

また、前傾姿勢になるときも腰への負担が大きくなるだろう。これもまた全ての動作のパフォーマンスを低下させる。

足首が硬ければドリブルをするときに深く沈み込むことが難しいことがある。
低い姿勢でのパフォーマンスが低ければ、それだけプレイの幅は狭くなるだろう。

本来持っている機能、本来できるはずの動き。
これらが柔軟性を損なっていることで制限されている。

するとどうだろうか。
他の部位で補う必要がある。

先の例でいえば、腰を折り、前傾姿勢にならざるを得ない。
足を大きく前に出したいとき、身体が前傾していては制限がかかる。というか人体の構造上無理がある。

あなたの柔軟性アンロック!である。(……。)

疲れやすくなる。

その通りである。
腰にばかり負担がかかっていた場合、それだけ消耗も早い。
消耗した部位の出力を最大値として、パフォーマンスの質は決まってしまう。
走り込みが足りなくて体力が錬成できていないなら、バテてしまってプレイの質は下がる。
仮にその体力が十分に備わっていたとしよう。
身体のある部分の柔軟性が低ければ、その部分を動かすためにより多くのエネルギーを使わざるを得ない。

そのもう一踏ん張りがタフなプレイを乗り越えられるかの明暗を分けるのだ。

おわりに


以上に説明したように、柔軟性がないということは大きな問題である。
そのような認識をお持ちいただきたい。


柔軟性に欠けると、スムーズな力の伝達ができない。
跳躍のフォームの最適解を達成できない場合がある。

ということはだ。
逆は真なり。
言い換えるなら「柔軟性が上がればあなたのパフォーマンスは必ず向上する」ということになる。
具体的な柔軟運動のメニューは追ってお伝えするつもりだ。
ぜひご存知のストレッチを続けながらお待ちいただきたい。

また、くどいようだが人と比べるものではない ということもくれぐれも理解してほしい。
チームメイトの柔軟性はあなたのプレイには何の関係もない
あくまでプレイヤーとしての我々個人の能力に関わる話である。

大切なのは、求めている動きが柔軟性の欠如によって阻害されていないことだ。

この投稿によって、私とあなたの跳躍力が高まることを願う。

それではまた次回の投稿でお会いしましょう。
ここまでお読みいただきましてありがとうございました。


p.s.
身体が先天的に特に固い人や、怪我などによって特定の部位に問題のある人もいるだろう。
その場合は専門家のに相談し指示を仰ぐとともに、とより長い期間を見据えた運動療法が必要な可能性があることに留意してほしい。
予防線を張るような表現になってしまったが、怪我や故障が避けられるのであればそれがないことこそもっとも良いことなのだ。


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