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久しぶりに読んだ本(三島由紀夫の小説家の休暇を読んだ感想)
こんにちは、地平線です。先日の記事において図書館で本を借りたと書きましたが返却期限が迫ってきたのもあり、重い腰をあげて読み始めました。
まず手に取ったのが三島由紀夫の「小説家の休暇」です。日記調の評論で本や演劇などの感想を交えつつ、日頃の出来事を綴っています。
ところで何故三島由紀夫の本を手に取ったのか。そこにはある理由があります。
三島由紀夫と写真
実は三島由紀夫を写した写真は沢山あり、著名な写真家も三島由紀夫を撮影しています。特に有名なのが細江英公の「薔薇刑」でしょうか。薔薇刑 作品32のプリントを含む三島由紀夫を写した著名な写真家の作品を何度か目にしたことがあります。演技者として、被写体としての彼は目にしてきましたが、その著作や人柄を詳しく知らないと思ったのでまずは日記的な「小説家の休暇」を手に取ったのです。
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途中までの感想
評論的でありながら日記的、評論すら生活の一部として過ごしていることを感じる作品でした。正直、今や古典となった作品や当時ですら古典である作品について述べてあるため作品ごとの話は分からないことが多かったです。しかし、そこから発展した小説論や芸術論については面白いものでした。それに日記部分は当時(1955年執筆)を垣間見ることが出来てその点も面白かったです。時期も6月24日から8月4日までと丁度この時期の日記になっています。
ちなみに7月31日の文では自嘲や自虐は悪質な自己欺瞞であるという批判をしていて、哲学的で解釈が難しいものの、わかりやすい部分だけ読んでも参考になる考え方でした。
「傷つきやすい人間ほど、複雑な鎖帷子を織るものだ」
という一文は人の感情について真に迫っていると思います。
また、個人的に好きなのは6月28日の出だしで
酷暑。のんべんだらりんと暮す。
この日は奇妙な男の話について書き連ねてあり、ネタがなかった感があります。(それでも名文を書いているのはさすがですが。)かなり忙しそうな日常を送っていたように読んでいて思いましたがその中に挟まれた本当の休暇と日常に関係ない話が文豪のネタ切れについて垣間見えて面白かったです。これぞ小説家の休暇って感じでした。
あと「のんべんだらりん」って今や言わないしオシャレだなと思います。
時代の変化と文章の変化
この本が書かれて70年近く経っていますがその中で文章そのものの変化は感じました。例え話が難しかったり言い回しも固かったりします。しかし、そこに慣れてさえしまえば人間や文章、芸術を鋭く見つめていて面白い本でした。
あと地味に思ったのが基本的に天気が書かれていて、時折気温まで添えられているのですが、32度ほどで酷暑と書いたり出てくる中では34度が最高だったりとやっぱり気温が上がっているのだなということです。今日も最高気温は37度の予想で憂鬱です。最近は38度までいくこともあり、熱中症に注意が必要ですね。
なかなか年代物の本は難しいですがしっかり読んでいきたいと思います。酷暑が続いておりますが皆様もお身体に気をつけてお過ごしください。暑い日中はクーラーの効いた部屋で読書はいかがでしょうか。
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