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文章破壊衝動

文章で日常を破壊している、気がする。もう文章なんて辞めたい。まともな精神と一度きりの高校生活を投げ打ってまでやることがこれか、と何度も思っている。崩壊した生活を送る上で、書くという行為ひとつの重要度が高すぎるせいだ。
どうやっても、要領よく回すことができない。どうやら多動らしい自分には、効率よくこなすなんて不可能なのだ。こんなことしなければまともな高校生として歩んでいけたかもしれないのに、ってずっと思っている。

一応、意地でも優等生を演じているから。そのせいで、変なプライドが抜けなくて。
書いたって書いたって何になるわけでもないのに。何者にもなれないのに。小説に傾倒するのは良くないと、自分では重々承知しているつもりなのに。その上で今もこんな文章を打ち込んで、何がしたいのか全く分からない。この先厳しい世の中で、何をして生きていくつもりなのだろうか。

普通に勉強に打ち込んで、放課後には部活に行って、帰ったらテレビを眺めて、課題を片付けて十一時に寝る、みたいな日常。小説さえ、文章さえ辞めれば簡単に手に入れられる生活。そんななんてことのない普通に、もう手が届かなくなっている気がする。

起きるだけで精一杯で、みんなみたいに生活できない不思議。息吸ってるだけで消耗して、どんどん弱っていく。わけも分からず寂しくて、心を覆う霧が晴れない。

小説に生活を捧げていることなんて知らない担任は成績を責め、友達は離れていった。

ずっとずっと、寝てる時以外何かを考えている。絶えず頭を回し続けている。取り留めのないことから世界のこと、生きる意味、小説のプロット。授業中も、テスト中も、どうしてもこの思案が抜けない。切り替えられない。

定期的に、自分の作品を消したくなる。こんな塵いらない、と叫んで削除をクリックししたくなる。ネットにあげた作品が耐えられなくて、何週間後に消すなんてのは日常だ。

そしてこれは、文章を捨てたい、という名の文章だ。消したい、生きてた証を取り去りたいと呟きながらも、結局こんなことを書き綴ってしまう自分。自分は文学に取り憑かれてしまっているのだ、後戻りのできないどこかまで。


小説なんて、文章なんて誰にでも書けるのに、ね。


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