短歌 2023.12
元旦に発生した能登半島の地震・津波で被災された皆様にお見舞い申し上げます。少しでも早く、穏やかな日常を取り戻せますように。
そして改めて、東日本大震災の折に全国から頂いた多大なるご支援とご縁に深く感謝し「私にできる事」を見つめなおしていきたいです。
どうする事もできなかった、あの時の私とは違うから。
12月の短歌のまとめです。少しでも癒しになれば幸いです。
受験近し鼻風邪の君こそ未来ポケットティッシュはどこまでも白
家中に2人の日々を打ち付けて恋文のような祖父の釘跡
ポスト飢え鍵穴は焦がれ靴眠る少しの電気が住むだけの家
亡き祖父のライター熱し線香の10分間に宿る魂
珈琲を脆き香りごと守りたる気泡緩衝材の粒と粒
サウナとか別に行かなくてもいいよコタツとアイスでととのう体
飲み込めぬ悲しみをただ噛み砕き眼前の嘴に与えた
人類は日々さよならを営んで誰かと出会う今日を生きてる
君の背は何千年の先を行く是か非かを問う物質は無い
泥濘はもうすぐ乾くその時は風と落ち葉と空へ行くのだ
仏壇の座布団に残る母の熱 初雪の雲溶かすだろうか
「雪だよ」と窓に頬寄せ笑う君 霰も跳ねて喜んでいる
夜の街ハートを一つ置き去りに牡鹿も私を捨てて行くのね
天高く鳴きし鳶に祖父は居て花愛でる蝶には祖母が住む
いつからかサンタは生まれなくなった ケーキの上から壊れゆく世界
流れ星願う横から奪い盗り貪り食って私は変わる
胃が痛い 昨日の夜に流れ星奪い貪り食べた罰かな
爪先の内出血を切り離し随分遠くまで来たものだ
Popup!ほんとの私追い駆けて「一緒に行こう」ここは滑走路
にゃあはにゃあ わんはわんだがわんじゃない 幼き我と禅問答す
栗きんとん茶巾絞りのその皺に青春アニメ刻み新年へ
読んで頂きありがとうございました。
SNSで短歌の自由さを知り、もうすぐ半年になります。
勉強と模索を続け、感性を磨きながらも、始めた頃の瑞々しさは忘れずに。
2024年もどうぞよろしくお願いいたします。
たておきちはる
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