見出し画像

スローダウン

どうしても書き留めておかないといけないと!と思ったことがあって、夜な夜なこの記事を書いています。

Slow is Beautiful / スロー・イズ・ビューティフル

ずっと気になっていて読み始めた本があります。
Slow is Beautiful
New Visions of Community, Leisure, and Joie de Vivre

by Cecile Andrews

この本を見つけたきっかけは、以前読んでとても影響を受けた辻信一さんの「スロー・イズ・ビューティフル 遅さとしての文化」をどうしてももう一度読みたくなって、検索している時のことでした。
タイトルがたまたま同じなので、もしかしたら内容も同じテーマについて取り上げてるのかもと思って、Cecile Andrewsの本を手に取ることに。
まだ、最初の数ページしか読んでないけど、すでに面白くてどうしても辻さんの本でCecileさんのこと引用してたりしないかなと思って、ネットで色々検索してたんですが、どうやら辻さんの本の中には出てこなそう。
その代わり辻さんが引用していたある一節が目に止まった。

“Nobody sees a flower, really, it is so small it takes time—we haven't time—and to see takes time, like to have a friend takes time.”―Georgia O’Keefe

アメリカの画家ジョージア・オキーフの言葉。
待て待て、ジョージア・オキーフどこかで最近見たな、、、っあー!

LifeWear magazine Issues 10 2024  Spring & Summerより

UNIQLOが発刊しているLifeWear magazineで見たんだ!
恥ずかしながらこの記事を読むまで、彼女のことについて知らなくて、つい最近知ったばかりなんだけど、彼女の引用を見てこの記事に辿り着いた記憶力に我ながらびっくりしてしまった。
読んだ後すぐ棚の中にしまって、すっかり忘れてたのにこういう時に思い出すもんなんだなと、点と点が繋がった感じがしてとても興奮した。

「誰も花を見ようとしない、花は小さいし、見るっていうことには時間がかかるから。そう、友だちをつくるのに時間がかかるように。」
彼女の言葉には深く共感すると同時に、現代社会の人びとが忙しい日々に追われて忘れてしまった大切なことを思い出させてくれるような気がする。

社会のあらゆる場面で「速さ」あるいは「早さ」を求められる。早ければ早いほうが価値がある。速ければ速いほどみんなから賞賛される。
わたしは小さい頃から足は遅かったし、何をするにもスロースターターだったし、3人兄弟の末っ子で何をするにも周りの様子をうかがってから取り掛かりはじめてたし、早生れだったからかクラスにいるとどうしても差が開いちゃうし、何かが速くて注目を浴びたことなんてもちろん一度もない。
とにかく亀のようにスローモーションで人生を歩んできていた。

大学を卒業して社会に出てから、自分のペースというものが一切通用しなくなって、社会の歯車の速さに必死でついていく日々が始まった。
多分それ以来、時間を掛けて腰を据えて何かに取り組むっていう姿勢がなくなって、空っぽな自分ができあがってしまったように思えた。
表向きはうまくいっているように見えても、何かもっと自分の奥深くにあるものが十分に熟しきっていないような感覚。
日常を切り取っても、表面的な仕事、人間関係、消費に埋め尽くされて、もっともっと時間を掛けて何かに取り組みたいのに、世の中から求められることはいつだって「はやさ」なのだ。

自分のペースを取り戻す

そんなこんなで辻さんの本を読んでハッとした日から、いかに自分のペースで物事に向き合い、取り組むかを意識するようにしている。
個人的にこれはリハビリだと思っている。
社会に出てから約10年、誰のものかもわからないタイムラインに即して生きてきたけど、もっと自分のタイムライン、自分のはやさで歩みを進めていきたいって強く思うようになった。
忙しいことを言い訳にしてできなかったことも、これからはお金も時間もかかってもいいから、自分のために費やしてあげようって思えた。
そうやって今は東京を離れてカナダで暮らしている。本当のとこを言うと、まだこれから自分がどういう風に生きていきたいかわからないし、たまに社会の求めるスピードに足を取られそうになる瞬間もある。
人生は短いけどファストフードを消費するような生き方は嫌だ。もっと五感をフルに使って人生を味わい尽くしていきたいのだ。人それぞれ食事をするはやさが違うように、私はわたしの人生を美しい器に盛り付け、目で楽しみ、舌鼓して、ゆっくり消化していきたい。
だから、自分の進む速さはこれだっていうのが分かるまでスローダウンしたいなって。
たまにダラダラした自分に嫌気がさしてしまう時もあるけど、多分それはまだ毒が抜けきってない証なんじゃないかなと思う。
ゆっくり進む自分に寛大でいながら、同じように自分のペースを見失ってしまってる人にもスローダウンすることの大切さをシェアしていけたらいいな。

さて、本の続きを読んで、また気づきがあったらここでシェアしていきます。
ここまで読んでくださりありがとうございました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?