音高、音大受験に興味を持った人に伝えたい4つのこと。
コントラバス奏者、吹奏楽指導者、指揮者の井口信之輔です。
クラシック音楽を中心にコントラバス奏者として活動するほか、中学高校の吹奏楽部やオーケストラ部、大学サークルでコントラバスの講師を務めたり、さまざまなコンセプトを掲げて活動している各地のアマチュアオーケストラや吹奏楽団とタッグを組んで、指揮者というポジションから地域の音楽文化発展に力を入れています。
また、茨城県にある聖徳大学附属取手聖徳女子高校の音楽科でコントラバスの講師を務めています。
SNSやブログではフリーランスの音楽家のキャリアの作り方、また活動の幅の広げ方などの発信し、noteではもう少し踏み込んだキャリアの話などを書いたりしています。
音高、音大受験を考えている人へ
数年前より、コントラバスの生徒が音楽高校や大学の音楽学部へ進学したり、また音楽大学や音楽高校を受験するにあたっての相談を受けることが多くなってきました。
また「将来の進路に音大を考えている」であったり「プロになるのはどれだけ難しいか?」とう話を吹奏楽部の高校生から聞かれることがありました。
そんなときは「とりあえず1ミリでも気になったら一回、様子を見に行ってきたら?」
という話をしています。
ここで受験するかは関係なくて、興味があったら生の雰囲気を感じてみるといいよということ。
資料請求やSNSでの情報だけではダメなのか?
とにかく足を運ぶことをすすめている僕の考えをまとめてみようと思います。
興味を持ったらとりあえず行ってみる
音楽高校や音楽大学(総合大学音楽学部含む)に興味があったら、とりあえず行ってみましょう。
オープンキャンパスや学校説明会を定期的に開催している学校が多いので、調べて興味のある学校にはどんどん足を運んで行くのをおすすめします。
資料を読んだり、SNSの投稿を眺めているだけでは感じることのできない学校の雰囲気やリアルな様子を自分の目で見ることがとにかく大切です。
また、この時点で私はまだそんなレベルではないとか◯◯大学はレベル高いからとか自分にフィルターをかけてしまわず、とにかく足を運ぶこと。
タイパ、コスパと言われる時代、条件反射でめんどくさいと感じることほど大事です。
体験レッスンがあったら受けてみる
音高、音大のオープンキャンパスや学校説明会では、その学校で教えている先生のレッスンを受ける機会があります。
もし受験に合格し、その学校に進学することになったら基本的には教えている先生のレッスン(授業)を卒業まで受けていくことになるので、先生との相性というのはとても大切です。
音高、音大受験には大きく分けて
習いたい先生がいてその学校を受験する
志望校の体験レッスンで担当になった先生に習いそのまま受験する
と二つの進学パターンがります。
前者であれば、受験前より先生のレッスンを受け信頼関係の構築もされていることが多いので良いですが、特に習いたい先生がいなかったり、音高音大に行きたいという希望で見学に行った先で出会った先生にそのまま習うという流れの人は、何校か見学をし何人かの先生のレッスンを受け自分との相性を見ていくというのも大切です。
相性ってどうみれば良いの?
先生との相性ってどうみれば良いのか、考えてみると難しいですよね。
これは直感で良いと思っていて「この先生のレッスン良かったな」と感じた人で良いと思います。
音楽高校や音楽大学の先生ってそう簡単になれる職業ではないので、これは綺麗事でもお世辞でもなくどの先生も素晴らしいです。
でも、やっぱり人間同士なので相性というのは生まれてきます。
そして、先生も教える内容に得意不得意、向き不向きがあります。
だからこそ、自分との相性というのを考えるのも大切なのです。
思い込みで自分に制限をかけない
僕は相談を受けたら「見学に行けるなら早いうちに行け!」と言います。
中学1年、または高校1年生のうちから行けばいいと思っています。
その方が早く学校の雰囲気を知れるし、学校のレベルを知れるし、何より考える時間が増えるので音楽関係の進路を意識した生活ができるし、逆に方向転換もいくらでもできて良いことづくしです。
過去に「まだ自分に早いと思う」という声も何度か聞きましたが、オープンキャンパスや学校説明会、また体験レッスンは生徒の上手い下手を判断する機会ではなく、訪ねてきてくれた中高生に「学校ってこんな場所ですよ」って伝えたり、今の演奏レベルに対してこんなことをやれば良いって未来への道標を示す機会なのでどんどん行けばいいんです。
ちょっと言い方悪いですが、利用するくらいの感覚で良いと思ってます。
音楽関係の学校の雰囲気に慣れておく
最後は音楽関係の学校の雰囲気に慣れておくということ。
のだめカンタービレという漫画、そしてドラマが流行ったときに多くの音大生、そしてプロの音楽家の方々が、千秋先輩以外のキャラは大体いるとおっしゃっていました。
やっぱり芸術系の学校なので個性的な人が多くいる印象です。
他にも、やっぱり実技が絡んでくるので自然と競争意識が生まれるし、他人の芝は青々と見え、ちょっとピリッとした空気もあれば、とてもほのぼのとした雰囲気の学校もあったり、あちこちから歌や楽器の音色が聴こえてきて独特な入り混じり方をしている、この言葉ではうまく表せない音楽の学校のあの雰囲気というのは肌で感じてみると良いと思います。
で、肌で感じた生の情報と自分の技術的な現在地とゴールまでの距離、おうちの人との相談などひっくるめて最後は総合的に考えて、受験するかどうかを決めれば良いと思います。
おわりに
音楽関係の進路だけでなく、何事もとりあえず行ってみる、やってみるで動けるフットワークの軽さが、より自分の理想に近い進路や描いているものを手にするチャンスを掴めると思います。
10代の中でそういう感覚を身につけるきっかけとしても、気になった学校はどんどん見にいくというのが本当におすすめです。
また、音楽大学は多く情報が手に入りますが音楽高校、高校の中にある音楽科は思った以上に情報が少ないので自らが行動して情報を手に入れていかないとほとんど何をやっているかわからないです。
ホームページやSNSで情報を発信している学校は良いですが、誰が教えているかもわからないところもあるので、とにかく気になったら自分で調べる、足を運ぶということを大切にしてください。
上にも書きましたが、タイパ、コスパと言われる時代、条件反射でめんどくさいと感じることほど大事です。
自分が描く進路、将来の夢がより明確になるように、自ら一歩踏み出して、生の雰囲気を感じ取って、理想の進路を探してみてください。