【詩】グッド・ラック

善福寺というところに住んでいた
私にとっては長い年月だった

春には善福寺池が桜で賑わっていた
私は通り過ぎるだけ

秋には井草八幡が祭りで賑わっていた
私は通り過ぎるだけ

暑い夏は外なんて出ない
寒い冬も外には出たくない

私が住んだ長い年月で
善い福なんてどこにもなかった

あったのかもしれないが
私を通り過ぎたのか

私が見ようとせず
通り過ぎていたのかもしれない

善福寺を去る日、一人呟いた
グッド・ラック