学級経営『ストーリーを語る』
発達障害の子どもたちに限らず、子どもたちに何か教えるときに、先生方が自然にやっていることの一つに、『ストーリーを語る』というのがあります。
例えば『いじめは悪いことです。いじめは禁止されているんです。人権を侵害します』などと言っても、子どもたちにはなかなか伝わりません。それより、先生方の経験から、長いストーリーで話をするほうが効果があるわけです。
例えば、『クラスをきれいにしましょう』と、ホームルームで先生が話をされました。次の日の朝、このように言います。
『昨日、先生はすごくうれしいことがありました。その子が気づいているかどうかわかりませんが、見ちゃったんですよ』とクラスのみんなを見ます。『ある子がゴミを拾っていました。そして、ゴミ箱にそっと捨てていました。この中にいますよ』と言うと、拾ったことがある子は、みんなうなずきます。拾ったことない子は何となく『うん?』という顔をしますが、その後で周囲を見てうなずいたりするわけです。そこで先生が『私、こんないいクラスをもったのは初めてです』などと言えば、みんながゴミを拾うようになるのです。これがストーリーです。ただ『ゴミを拾え』と言うよりも、そっちの方が効果的なのです。
子どもたちが苦しんでいるとき、一番の問題は『自分だけがそうなんだ』と思ってしまうことです。絶対いけないのは、解決策ばかり言うことです。そうではなく、ストーリーを語り、『私も経験したことがある。あなた一人じゃないよ』ということを教えてあげるのが大事なのだと思います。
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